大震災で被災して休館中だった成瀬美術記念館が開館したと新聞で報じられ、前から行きたいと思っていたので早速国見の東北福祉大隣の館で観てきた。
成瀬さんは会社の先輩で、二紀会に所属し宮城県芸術協会理事長も務められた高名な画家だ。会社の社誌の表紙絵を永年続けられ私にはなじみ深い先輩である。キリストをテーマにした油彩の大作は中でも私が一番好きな作品である。変幻自在なタッチとブルーを基調とした豊かな色彩は独特の世界観で際立った個性を持っている。成瀬さんは今年95歳になるという、曰く絵画はよほど有名な作家で美術館に収蔵されなければ、その作者の死と共に世間から去ってゆくとの憂いから、先輩物故者の作品を収集し私設の美術館を25年前に自宅隣に開館させた。
前述のように休館を余儀なくされた館をこの11月開館させ「小さくとも仙台に芸術文化の風を」と孤軍奮闘されていて現在はご長男がその意志を継がれ館長に。ご本人は名誉館長を務めている。