症状
犬では消化器系症状が特徴ですが、猫では症状が曖昧かつ非特異的で、また非局所的です。
元気消沈/沈うつ/食欲不振が犬猫でみられることが多いです。
嘔吐は犬では一般的ですが、猫ではあまりみられません。
体重減少は猫で一般的であす。
犬では腹部疼痛を呈することがあります。
下痢は猫よりも犬でしばしばみられる所見です。
黄疸は犬と猫でよくみられます。
身体検査所見
重度の元気消沈が犬と猫でみられます。
消化管からの喪失によって、脱水がみられます。
腹部疼痛。
犬猫では腫瘤病変が触知されることがあります。
犬では発熱が一般的ですが、猫では発熱と低体温の両方が報告されています。
黄疸は猫でより一般的です。
呼吸困難や出血性疾患、心不整脈のような全身性の異常は稀です。
原因
通常は不明ですが、可能性のあるものとしては以下のような要因があります。
栄養性の要因(例えば、高リポ蛋白血症)。
膵臓の外傷や虚血。
十二指腸逆流。
薬物/毒素(禁忌の項を参照)。
膵管の閉塞。
高カルシウム血症。
感染性病原体(トキソプラズマ症、猫伝染性腹膜炎[FIP]など)。
猫胆管肝炎あるいは腸炎の波及。
危険因子
品種。
犬では肥満が危険因子となります。
犬での併発疾患(例えば、糖尿病、副腎皮質機能亢進症、慢性腎不全、腫瘍など)。
最近の投薬。
猫での肝/腸の炎症性疾患の併発。
大正動物医療センター 06-6551-5106