大正動物医療センター(大阪市大正区)のブログ

大阪にある大正動物医療センターのブログ

急性腎不全

2006-02-28 19:13:00 | 尿が出ない

症状
突然の食欲不振、無気力、嘔吐(±出血)、下痢(±出血)、口臭、運動失調、痙攣発作、毒物暴露の事実、最近の内科的ないし外科的処置の受診歴、乏尿/無尿あるいは多尿。

全身状態や体毛は正常(慢性の徴候はない)、沈うつ、脱水(時に、水分過剰)、種々の程度の強膜充血、口腔内潰瘍、舌炎、舌の壊死、尿毒症性呼気、低体温、発熱、頻呼吸、徐脈、膀胱は触知不能、腎は肥大硬結して疼痛が認められる。

原因

血行動態/低灌流

ショック、悪性高血圧、心不全、血栓塞栓症(例、播種性血管内凝固[DIC]、血管炎、輸血反応)、熱射病、過度の血管収縮(例、非ステロイド系抗炎症剤[NSAID]の投与)、過度の血管拡張(例、アンギオテンシン変換酵素阻害薬または抗高血圧薬の投与)、長時間の麻酔。

腎毒性

抗生物質(例、アミノグリコシド系、スルホンアミド、セファロスポリン)、アンホテリシンB、化学療法薬(例、シスプラチン、ドキソルビシン)、チアセタルサミド、NSAID、造影剤、エチレングリコール、重金属(例、鉛、水銀、ヒ素、タリウム)、昆虫や蛇毒、ヘム色素、カルシウム、ブドウや干しブドウの摂取(犬)、ユリ科植物の摂取(猫)。

腎臓および全身性疾患

レプトスピラ症、免疫介在性糸球体腎炎および動脈炎、膵炎、敗血症、DIC、肝不全、熱射病、輸血反応、細菌性心内膜炎、腎盂腎炎、腎皮質壊死、およびリンパ肉腫。シュウ酸カルシウム尿石による片側性または両側性の尿管閉塞は、猫におけるARFのよくみられる原因である。

危険因子

内因性:既存の腎疾患、脱水、循環血液量減少、低血圧、加齢、合併疾患、低ナトリウム血症、低カリウム血症、低カルシウム血症、アシドーシス。
外因性:薬物(例、フロセミド、NSAID、長時間の麻酔、アミノグリコシド)、食物(例、低ナトリウム、尿石形成の可能性があるもの、酸性化剤)、長時間の手術、外傷、多臓器の疾患、高温度環境。

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