大正動物医療センター(大阪市大正区)のブログ

大阪にある大正動物医療センターのブログ

先天性心臓疾患(ファロー四徴症、心室中隔欠損)

2006-02-28 17:31:42 | チアノーゼ

症状

虚弱。 失神。 呼吸促迫。多くの症例において、右室流出路障害によって左側心基底部で収縮期駆出性雑音が聴取されるが、血液粘稠性が高い場合や重度肺動脈狭窄症では聴取されないこともある。
多くの症例でチアノーゼが認められる。チアノーゼの程度は短絡の方向と量に依存している。右室流出路障害が軽度な場合、短絡の方向は左室から右室に向かうためチアノーゼは認められず、病態生理は心室中隔欠損単独と同様である。
動脈拍動は通常正常である。
うっ血性心不全は稀で、原因はおそらく右室によって左室への負荷が軽減されているためである。

原因

先天性。ファロー四徴症を含む単一遺伝子の異常はキースホンドで確認されている。遺伝的問題がおそらく自然発症に関与しているであろう。

大正動物医療センター 06-6551-5106  

http://www.taisho.animal-clinic.jp/


肺動脈の短絡奇形(動脈管開存)

2006-02-28 17:31:33 | チアノーゼ

症状

呼吸困難、発咳、運動不耐。 発育不全。 右‐左短絡性PDA:労作性後肢脱力、赤血球増加や過粘稠度合併症(不整脈あるいは右‐左血栓に関連する痙攣または突然死)。
通常、運動によって急に症状が出現する。

左頭背側心基部の肺動脈上部で、概して連続した機械様雑音。犬によっては局所的。小型犬では、雑音は胸骨柄部位まで広く聴診される。時に、左心尖部で僧帽弁閉鎖不全の収縮期雑音が平行する。猫や6週齢の子犬の雑音は明らかな連続性ではないことがあるが、長い収縮期雑音と拡張早期雑音に似ている。大きな雑音:触知可能な前胸部震顫と関連している。 動脈拍:運動亢進(水槌脈)。 心尖部が尾腹側へ変位。 頻呼吸、呼吸困難、吸気時捻髪音:左側CHFを示すことがある。 心房細動が起こる場合、強度の変わりやすい動脈拍を伴い、急激で不規則な心調律。 右‐左短絡性(「逆行性」)でのPDA所見の違い:非連続性雑音、正常動脈拍、顕著な右室拍動。収縮期駆出雑音や鼓音性、あるいは分裂性の第2音が聴取されることがある。顕著な頸静脈波がみられる。 右‐左短絡性PDAの典型的症状はディファレンシャルチアノーゼである。頭部粘膜はピンク色であるが、下半身粘膜にチアノーゼがみられる。重度の二次的赤血球増加では頭部粘膜にもまたチアノーゼがみられる。

原因

ほとんどの症例には遺伝的素因がある。

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肺水腫

2006-02-28 17:31:05 | チアノーゼ

症状

頻呼吸。呼吸困難。 乾性発咳(猫では一般的ではない)。 開口呼吸(猫で一般的)。
おそらく聴取可能な異常はない。 吸気終末で捻髪音。 吸気中や呼気中の捻髪音や喘鳴音。
外鼻孔や口腔から淡紅色泡沫様分泌物(最終段階)。 心雑音、ギャロップ音、不整脈(心原性の肺水腫)。

原因

高い毛細血管静水圧

心原性:心筋症(例えば、拡張型、肥大型、中間型、および拘束型)、僧帽弁心内膜症、腱索断裂、甲状腺中毒症、心内膜炎、大動脈弁疾患、動脈管開存症、心室中隔欠損症、および

不整脈。
非心原性:静脈内輸液の過剰投与、貧血。
低い毛細血管膠質浸透圧

低蛋白血症。
静脈内輸液の過剰投与。
毛細血管または肺胞上皮の高い透過性

(成熟動物呼吸窮迫症候群[ARDS])

肺炎。
毒素(例えば、タバコ、胃内容物、および蛇毒)。
熱射病、播種性血管内凝固。
溺れた時。
循環中の内毒素、ショック。
胸腔内または間質の高い陰圧

上部気道閉塞。
無気肺の再膨張。
機序不明

神経原性(例えば、発作、頭部外傷、および感電死)。

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