大正動物医療センター(大阪市大正区)のブログ

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尿石症(ストラバイト)

2011-11-24 10:34:33 | 不適切な排尿行動(尿を垂れ流す)

犬の症状

症状は時としてみられないことがある。 症状は尿石の部位、大きさ、数に左右される。
膀胱結石の典型的症状には、頻尿、排尿困難、血尿があり、時折小さく滑らかな尿石が排出される。 尿道結石の典型的症状には、頻尿、排尿困難、時折小さく滑らかな尿石が排出されるなどがある。 腎結石では、腎不全の症状を伴うことがある。細菌性UTIを伴う尿路閉塞では、腎盂腎炎や敗血症を引き起こす可能性がある。
膀胱内や尿道内に尿石が触知されることがある。
尿道の閉塞は膀胱の腫大を引き起こす。
尿管が閉塞すると、関連する腎臓の腫大が引き起こされる。
細菌感染を伴う完全な尿閉は上行性UTIを引き起こし、腎不全や敗血症の徴候を示す。

犬での原因

尿中に尿素を多量に含む動物におけるウレアーゼ産生菌、病原真菌、ウレアプラズマ感染が起こりやすくなる尿路の障害。 無菌性ストラバイト尿石の特定の要因は不明。
内因性あるいは外因性の高濃度グルココルチコイドへ暴露すると、細菌性UTIが発現しやすい。 尿の異常な停滞。 アルカリ尿では、ストラバイトは溶解しにくくなる。

猫での症状

罹患猫によっては無症状のことがある。 症状は、尿石の部位、大きさ、数による。
膀胱結石の典型的症状は、頻尿、排尿困難および血尿である。
尿道結石の典型的な症状は、頻尿、排尿困難で、稀に小さく滑らかな尿石を排泄することである。腎後性尿毒症症状(例、食欲不振や嘔吐)は、尿の流出路が閉塞した場合にみられる。
腎不全症状(多尿および多渇)が腎結石の猫でみられることがある。
尿の流出路閉塞の典型的な症状(例、排尿困難、腫大し疼痛のある膀胱、および腎後性尿毒症症状)がストラバイト尿道栓子の猫でみられる。
膀胱結石の猫では、肥厚し、硬く収縮した膀胱壁が認められる。
触診による膀胱結石の検出は信頼できない。
尿道栓子あるいは尿道結石は、陰茎の先端や陰茎尿道の検査でみつかることがある。
尿の流出路閉塞は、腫大した膀胱と腎後性尿毒症の症状を惹起する。

猫での原因

無菌性ストラバイト尿石の形成の危険因子としては、食物中ミネラル組成、エネルギー量、水分量が関与。その他、食物中の尿アルカリ化代謝物、食物消費量さらには食物の給与形態(自由摂食に対して計画に従った給与)、濃縮尿の形成、尿貯留などが危険因子となる。
これらの危険因子の排除あるいは制御によって、無菌性ストラバイト尿石の溶解と再発予防が図られる。
感染性ストラバイト尿石症の危険因子:ウレアーゼ産生病原微生物による尿路感染、細菌性尿路感染を引き起こすような局所防御機構の異常(会陰尿道造瘻術を含む)、尿中に排泄される尿素量(ウレアーゼの基質)が関与。
雄猫では遠位尿道の口径が正常でも小さいため、栓子や尿石による閉塞を引き起こしやすい。

大正動物医療センター 06-6551-5106  

http://www.taisho.animal-clinic.jp/
 

 


下部尿路疾患

2006-02-28 21:49:54 | 不適切な排尿行動(尿を垂れ流す)

症状

頻尿(一般的)。 有痛性排尿障害。 排尿時の尿の流速や流径が減少したり、全く排尿がみられないこともある。
肉眼的な血尿。
完全(あるいはほぼ完全)な尿路閉塞によって尿毒症にまで発展した場合の徴候。元気消沈、態度は倦怠的、食欲減退、嘔吐。
過度な(異常に大きく、膨隆した)、あるいは不自然な(排尿行動後にも拡張したまま)、触診可能な拡張を呈する膀胱。
閉塞を示す雄犬では、しばしば尿道において尿路結石が触知される。
時として、慢性の部分的尿管閉塞の動物で、特に病変が片側性の場合には、触知可能な腎肥大が認められることがある。
深刻な尿毒症の徴候:脱水、虚弱、低体温、中等度の高カリウム血症を伴った徐脈、浅速呼吸の増加、昏迷あるいは昏睡、末期には痙攣発作が起こり、重度の高カリウム血症によって心室性の律動異常が起こり頻脈となる。
排泄路穿孔の徴候:尿が腹腔内へ漏出した場合は、腹部の疼痛と膨満。尿が尿道周囲へ漏出した場合は、尿道傷害部の位置によって骨盤腔あるいは会陰組織で疼痛と腫脹が起こる。また発熱を伴う。

原因

管腔内の原因

尿石、猫の尿道栓子、血液凝塊および脱落組織片などの固形ないし半固形状構造物。
尿路閉塞が最も一般的に起こる部位は尿道。
尿石は、雄犬では尿道閉塞の最も一般的な原因。
雄猫では尿道栓子が尿道閉塞の最も一般的な原因。

管壁内の原因

膀胱頸部あるいは尿道の腫瘍が、特に犬では尿路閉塞の最も一般的な原因。
犬の尿道では、時に化膿性肉芽腫性炎症性の病変が認められることがある。
以前に傷害を受けた部位や炎症が存在した部位の線維化は、狭窄を引き起こし、この部位が尿の流れを妨げたり、管腔内の組織崩壊物の堆積部となる。
雄犬の前立腺疾患。
筋肉組織の水腫、出血、あるいは痙攣が管腔内閉塞(例、尿道閉塞)の部位で起こり、これが管腔内の閉塞物質を除去した後に持続性ないし再発性の尿流妨害を起こす。閉塞物質、閉塞物質除去のための操作による傷害、あるいはその双方による傷害によって組織の変化が生じる。
排泄路の破裂、裂傷あるいは穿孔は、通常外傷によって引き起こされる。

その他の原因

膀胱が会陰ヘルニア内へ変位した場合。
神経性の原因(「尿遺残、機能的」の項を参照)。
危険因子

尿石症、特に雄。
猫の下部尿路疾患、特に雄。
雄犬における前立腺疾患。

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尿石症(シュウ酸カルシウム )

2006-02-28 21:49:47 | 不適切な排尿行動(尿を垂れ流す)

原因

症例によっては無症状。 尿石の位置、大きさ、数による。 腎結石の症例は典型的には無症状であるが、持続的な血尿を示す場合がある。 尿石による尿管閉塞を起こした猫では、反対側の腎臓は小腎症で、かつ閉塞を起こした同側の腎臓は水腎症となって、しばしば急性尿毒症を呈する。
頻尿、排尿障害、血尿などの膀胱結石あるいは尿道結石の典型的症候。
腎不全の猫では、腎結石あるいは尿管結石がよくみられる。
腹部あるいは尿道の触診による膀胱結石の発見。ただし尿石が触知されなくても尿石は除外されない。
肥厚し収縮した膀胱壁が、特に猫で触知される。
動物が完全な尿道閉塞を起こしていれば膀胱は膨大している(猫でより多い)。
不整形の膀胱結石は、尿道に入っても完全な尿道閉塞は起こしにくい。

原因

病態生理の項を参照。

危険因子

食物以外のカルシウムの補給。
食物中の蛋白、ビタミンDの過剰は高カルシウム尿を促進する。
食物中のシュウ酸塩(例えば、チョコレート、ピーナッツ)やアスコルビン酸の添加は高シュウ酸尿を助長する。
外因性あるいは内因性の高濃度のグルココルチコイドへの暴露、酸性尿生成を助長する食物、フロセミドは高カルシウム尿を助長する。
ピリドキシン(ビタミンB6)欠乏食(例、自家製の食物)は高シュウ酸尿を助長する。
ドライフード摂取は缶詰食の摂取に比べて、シュウ酸カルシウム尿石形成の危険性が高いと考えられている。

 

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下部尿路感染症

2006-02-28 21:49:40 | 不適切な排尿行動(尿を垂れ流す)

症状

一部の動物では何もみられない。 頻尿(頻度が多く、少量の排尿)。 排尿障害。 尿意切迫(もしくは、妊娠の間の顕著な排尿調節力の低下)。決まった場所以外での排尿。 血尿、混濁尿や、悪臭のする尿が一部の動物でみられる。
一部の動物には異常は何もみられない。 急性感染症:膀胱や尿道に触診で圧痛がある。
膀胱の触診は排尿を刺激する。 慢性尿路感染症:膀胱壁や尿道壁の触診で肥厚や異常な硬さが確認される。 二次感染:基礎疾患によって生じる所見。

原因

最も一般的な原因は好気性細菌である。 稀なもの:他のいくつかの細菌と真菌。

尿の停滞もしくは膀胱内にある尿の不完全排泄を引き起こす状態。
粘膜の防御機構を障害する状態。
尿管からの細菌の上行に対する解剖学的、機能的防御能の減少や、バイパスが形成された状態(筋肉の緊張、尿道の長さ、膀胱尿管接合部の消失)。
尿の抗菌力を低下させる状態(例、尿のpHや浸透圧の変化および低濃度の尿素、ある種の有機酸)。

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