大正動物医療センター(大阪市大正区)のブログ

大阪にある大正動物医療センターのブログ

変性性脊髄症

2012-02-28 19:59:54 | 体が上手く動かせない

症状

潜行性発症。
両側性であるが必ずしも左右対称ではない。
初期:軽度の運動失調と後肢の不全麻痺。前肢は罹患しない。
飼い主は、関節炎を疑って、この臨床症状の発症後数カ月経過してから、検査のために来院してくることが多い。
後肢の肢端のナックリングとスカッフィング:最も一般的に認められる。
後肢の交叉と動揺:症例が旋回している時に生じる。
排尿と排便:この疾患では末期になるまで自発性の制御は維持されている。
尾側腰背筋と後肢筋:この疾患の後期に廃用性萎縮を起こすことが多い。
痛みと不快感:明らかではない。
神経学的検査所見

障害は後肢に限定される。
運動失調と上位運動ニューロン性不全麻痺:T3‐L3の脊髄分節に局在する。
プロプリオセプションの障害:初期段階では、観察される軽度の不全麻痺から予想する以上に悪い。非対称的となる場合がある。
屈曲反射:正常か亢進。症例によっては交叉伸展反射が認められる。
肛門括約筋の緊張、会陰反射および尾の緊張:正常。
膝蓋腱反射:たいていは正常か亢進するが、症例の中には膝蓋腱反射が片側性ないし両側性に低下するか消失するものがある。これは、背根神経節あるいは脊髄背側灰白質の変性に起因する。腹側運動神経根は罹患しないので、この徴候によって真の下位運動ニューロン徴候ではなく、変性性脊髄症が示唆される。
痛覚:保持されている。

 

好発品種

最も一般的な罹患:ジャーマン・シェパードとジャーマン・シェパード交雑種。
他の大型犬と中型犬は時に罹患する:コリーとコリー交雑種、ラブラドール・レトリーバー、シベリアン・ハスキー、チェサピーク・ベイ・レトリーバー、ケリー・ブルー・テリアおよびウェルシュ・コーギー。
平均年齢と範囲

発症時の平均年齢:9.6歳。
範囲:4~14歳。
ジャーマン・シェパード:6カ月齢と7カ月齢の、2症例の報告がある。

原因

スーパーオキシディスムターゼ遺伝子の異常:ジャーマン・シェパード、ジャーマン・シェパード交雑種、およびシベリアン・ハスキー。

大正動物医療センター 06-6551-5106  

http://www.taisho.animal-clinic.jp/

http://ruru3jyo.blog.fc2.com/

 


猫の知覚過敏症候群

2012-02-28 18:39:17 | 体が上手く動かせない

猫の特発性障害で、発作性の興奮、背筋の焦点性痙縮、発声、背中や尾、後肢を激しく噛んだり舐めたりすることが特徴である。
知覚過敏症は神経皮膚炎、Twitchy-skin症候群、神経炎、精神運動性てんかん、およびシャム猫のそう痒性皮膚病などとよばれている。
病態生理

よくわかっていない。

好発品種

シャム猫。他の品種についての報告も多くある。

平均年齢と範囲

どの年齢においても徴候を発現しうる。1~4歳での発症が最高であるという報告もあれば5~8歳という報告もある。

症状

背中の皮膚の痙縮、尾を激しく振る、発声、側腹部や骨盤部を咬んだり舐めたりする徴候。
しばしば大きく散瞳し、猫では見当識障害がみられ、広範囲を疾走する。
徴候は数秒~数分間で、徴候と次の徴候の間は通常正常である。徴候の間はわずかに興奮し、背中を触られるのを嫌がる猫もいる。
一般身体検査では自己断節による腰部の脱毛と被毛の破綻以外の異常はみられない。
胸腰部の筋系に明らかな知覚過敏領域が存在する猫もおり、その部位を触診すると徴候が誘発されることがある。神経学的異常はみられない。
てんかん発作と異なり発作の停止が速やか

原因

この症候群が潜在する問題行動や、非定型の発作性障害、または知覚過敏症を引き起こす局所的な感覚性ニューロパチーやミオパチーを誘発するかどうかは知られていない。これには多数の要因があり、この症候群は単一の明確な要因ではなく、様々な異なった要因で進展するものと推測される。

大正動物医療センター 06-6551-5106  

http://www.taisho.animal-clinic.jp/
神経質で興奮しやすい猫は危険因子を増幅させるという報告がある。環境ストレスは引き金として働くと思われる。
 


睡眠時の過剰運動

2012-02-28 18:30:27 | 体が上手く動かせない

症状

眠っている時の運動が過剰

鳴き声を上げたり排尿することがある

睡眠中のてんかん発作と異なり覚醒すると異常が直ちに消失

年令と共に激しくなる傾向がある

脳疾患に関係していることがある

治療    寝る前に飲ませる

大正動物医療センター 06-6551-5106  

http://www.taisho.animal-clinic.jp/

ガバベンチン 7.5~20mg/kg

クロナゼパム 0.01~0.1mg/kg


ナルコレプシーおよびカタプレキシー

2012-02-28 18:12:15 | 体が上手く動かせない

ナルコレプシー

過度の日中の眠気、元気消沈、もしくは自発的に回復する短時間の虚脱と意識障害。

動物はレム睡眠中、夢で体が動かないように脳の橋のところでコントロールしているが、この病気の犬は起きている間にこれが起きる。

カタプレキシー

  • 陽性刺激(食事、散歩、遊びなどの嬉しいこと)により誘発される脱力発作

   ・腱反射の消失を伴う短時間の筋の麻痺で、完全にかつ自発的に回復する。

  • 意識を保ち眼は意思どおりに動かすことができる。
  • 失禁は起こらない

症状

  ・ナルコプレシーはキャバリア、黒のプードルに多い

  • 遺伝が証明されている犬種:ラブラドール・レトリーバー、プードル、ダックスフンド、ドーベルマン・ピンシャー。
  • 浸透度が完全な有する劣性遺伝:ラブラドール・レトリーバー、ドーベルマン・ピンシャー。
  • 通常は、生後6カ月未満で臨床症状発現。
  • 発作時以外は身体検査および神経学的検査は正常。
  • 発症:ナルコレプシー、カタプレキシーともに急性(甚急性)。
  • 発作:通常、数秒~数分間持続するが、30分間続くこともある。側臥位もしくは腹臥位に虚脱し、倒れて動かず筋は弛緩する。食べている時、興奮時、遊んでいる最中、性行為に関連した行動中に起こることが多い。1日に何度も生じることもある。
  • 眼球運動、筋の攣縮、くんくん鳴くこと(急速眼球運動[REM]睡眠中にみられるような):発作中によく認められる。
  • 通常、大きい音、撫でること、もしくはその他の外的刺激によって誘発が可能である。

原因

孤立タイプ

 ヒポクレチン濃度の低下

家族発症タイプ

 常染色体劣性遺伝?

 ヒポクレチン受容体異常

ヒポクレチンとは視床下部周辺の細胞でつくられる、食欲や報酬、睡眠や覚醒に関係する神経伝達物質。ヒポクレチンの産生が低下すると食欲が低下し、過度の眠気を感じることがある。

大正動物医療センター 06-6551-5106  

http://www.taisho.animal-clinic.jp/

http://ruru3jyo.blog.fc2.com/


脳炎

2006-02-28 20:31:34 | 体が上手く動かせない

症状

発熱、肺疾患あるいは消化器障害:多くは脳炎に先行して起こる。
真菌、リケッチア、ウイルスおよびプロトテカ罹患の動物では底部の病変がしばしばみられる。
最も障害された脳の部分が臨床症状を決定する。
脳の吻側が罹患した場合:発作、旋回運動、同歩調での持続歩行(ペーシング)、性格の変化および反応性の低下。
脳の尾側が罹患した場合:脳幹に関係する異常(傾眠、頭部傾斜、顔面神経不全麻痺/麻痺、協調不全)。
臨床症状の進行(例、瞳孔不同、縮瞳、意識レベルの低下および生理的眼振の低下):テント切痕ヘルニアが示唆されている。

原因

特発性免疫介在性:肉芽腫性髄膜脳脊髄炎、パグ脳炎、マルチーズ脳炎、ヨークシャー・テリア壊死性脳炎、好酸球性髄膜脳炎。
ウイルス性:犬ジステンパーウイルス、狂犬病、ヘルペスウイルス、パルボウイルス、アデノウイルス、仮性狂犬病、東部馬脳脊髄炎ウイルス、ベネズエラ馬脳脊髄炎ウイルス。
ワクチン接種後脳脊髄炎:犬ジステンパーウイルス、狂犬病、犬コロナウイルス―パルボウイルス。
リケッチア性:ロッキー山紅斑熱、エールリヒア症。
真菌性:クリプトコックス症、ブラストミセス症、ヒストプラスマ症、コクシジオイデス症、アスペルギルス症、黒色菌糸症。
細菌性:嫌気性と好気性。
原虫性:トキソプラズマ症、ネオスポラ症、エンセファリトゾーン症。
スピロヘーター性:ボレリア症。
寄生虫移行症:Dirofilaria immitis(犬糸状虫)、Toxocara canis(犬回虫)、Anchlostoma caninum(犬鉤虫)、Cuterebra(ウサギヒフバエ)、嚢虫
異物移行症:植物のノギ、その他。
プロトテカ症。
化膿性肉芽腫性髄膜脳脊髄炎。

特発性、免疫介在性:肉芽腫性髄膜脳脊髄炎、好酸球性髄膜脳炎。
特発性灰白脳脊髄炎。
ウイルス性:猫伝染性腹膜炎(FIP)、狂犬病、猫免疫不全ウイルス(FIV)、仮性狂犬病、汎白血球減少症、鼻気管炎。
真菌性:クリプトコックス症、ブラストミセス症、黒色菌糸症。
細菌性:嫌気性と好気性。
原虫性:トキソプラズマ症。
寄生虫移行症:犬糸状虫、ウサギヒフバエ。
免疫抑制剤とFIVないし猫白血病ウイルス(FeLV):感染性脳炎の可能性を高める。
ダニに汚染された地域:リケッチア感染とボレリア感染のおそれがある。
旅行歴がある:真菌感染。

大正動物医療センター 06-6551-5106  

http://www.taisho.animal-clinic.jp/