大正動物医療センター(大阪市大正区)のブログ

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猫の膵炎

2006-02-28 18:03:20 | 吐き気や嘔吐

原因

肝リピドーシス、胆肝炎、炎症性腸炎が原因として多い。他に膵臓の虚血、外傷、有機リン中毒、パルボウイルス、トキソプラズマ、ヘルペスウイルスⅠ型、FIPなどの感染症。

症状

頻度の高い順に、嗜眠、食欲不振、脱水、低体温、嘔吐、腹部痛、腹腔内腫瘤、呼吸困難、下痢、運動失調

診断

猫膵リパーゼ免疫活性増加。低カルシウム血症(予後不良)

腹部超音波検査で高エコーの腸間膜に被包化されて大きくなり、不整形の低エコー性の膵臓が見られる。腹水、胆嚢管の拡張は重症例で見られる。

確定は膵臓のバイオプシー

治療

補液

制吐剤(メトクロプラミド2mg/kg24hIV、クロールプロマジン、ドラセトロン0.51.0mg/kgIV又はq8~12hSQ

鎮痛剤(ブプレノルフィン0.0050.01mg/kgSQ又はq4~8hIV、オキシモルフィン0.050.1mg/kgIM又はq1~3hSQ、フェンタニールパッチ25μg/h patch q5days、リドカイン20μg/kg毎分IV、ケタミン220μg/kg又は0.11.2mg/kgq1IVの持続点滴の併用)

胃粘膜保護・運動促進剤(ラニチジン12mg/kgIV又はq12hSQ

活性化膵プロテアーゼ(新鮮血漿20ml/kgIV、全血輸血)

膵循環促進補助(ヒドロキシルスターチ、高分子デキストラン120ml/kg/dayIV

抗炎症剤(コルチコステロイド2.5mg/cat q12h

膵臓浮腫を促進する微小血管浸透性改善薬(ドパミン5μg/kg/min持続点滴、但し発症12時間以内に使用)

ビタミンB12 250μg/cat SQ 1週間毎6週間 )腸陰かでのDNA合成に重要

外科治療(膵臓の感染性壊死、膿瘍、閉塞性胆管炎などが疑われるとき壊死組織を除去する)

食事療法

食欲のない猫には高栄養輸液や経腸栄養を行う。タウリン、アルギニンを追加する

予後

肝リピド-シスを併発していると予後悪い