胃炎
原因
肝リピドーシス、胆肝炎、炎症性腸炎が原因として多い。他に膵臓の虚血、外傷、有機リン中毒、パルボウイルス、トキソプラズマ、ヘルペスウイルスⅠ型、FIPなどの感染症。
症状
頻度の高い順に、嗜眠、食欲不振、脱水、低体温、嘔吐、腹部痛、腹腔内腫瘤、呼吸困難、下痢、運動失調
診断
猫膵リパーゼ免疫活性増加。低カルシウム血症(予後不良)
腹部超音波検査で高エコーの腸間膜に被包化されて大きくなり、不整形の低エコー性の膵臓が見られる。腹水、胆嚢管の拡張は重症例で見られる。
確定は膵臓のバイオプシー
治療
補液
制吐剤(メトクロプラミド2mg/kg24hIV、クロールプロマジン、ドラセトロン0.5~1.0mg/kgIV又はq8~12hSQ)
鎮痛剤(ブプレノルフィン0.005~0.01mg/kgSQ又はq4~8hIV、オキシモルフィン0.05~0.1mg/kgIM又はq1~3hSQ、フェンタニールパッチ25μg/h patch q5days、リドカイン20μg/kg毎分IV、ケタミン2~20μg/kg又は0.1~1.2mg/kgq1IVの持続点滴の併用)
胃粘膜保護・運動促進剤(ラニチジン1~2mg/kgIV又はq12hSQ)
活性化膵プロテアーゼ(新鮮血漿20ml/kgIV、全血輸血)
膵循環促進補助(ヒドロキシルスターチ、高分子デキストラン1~20ml/kg/dayIV)
抗炎症剤(コルチコステロイド2.5mg/cat q12h)
膵臓浮腫を促進する微小血管浸透性改善薬(ドパミン5μg/kg/min持続点滴、但し発症12時間以内に使用)
ビタミンB12 (250μg/cat SQ 1週間毎6週間 )腸陰かでのDNA合成に重要
外科治療(膵臓の感染性壊死、膿瘍、閉塞性胆管炎などが疑われるとき壊死組織を除去する)
食事療法
食欲のない猫には高栄養輸液や経腸栄養を行う。タウリン、アルギニンを追加する
予後
肝リピド-シスを併発していると予後悪い