田舎で暮らしてます。 (My country life!)

都会の喧騒を離れ、北関東の田舎で可愛いペット達と暮らし始めた中年夫婦の日記です。

知られざる表日光連山を想う

2012-07-24 04:26:51 | 旅行
深田久弥の日本百名山には栃木県内からも4峰が名を連ねる。全国の都道府県数から言えば、平均で2か所であるから多い方である。那須岳、男体山に日光白根山は観光地であることからも良く知られているが、皇海山を知る者は少ない。多少歴史に興味があり日本最初の公害といわれた足尾銅山を知っていれば、その足尾にある山ということでその位置を知ることはできる。残念ながらまだ皇海山に登ったことはない。彼の選択基準が、「品格・歴史・個性」。これに1500m以上の山という高さ制限があったようである。品格、歴史はともかく、個性という点では、男体山は見劣りがする。むしろ、女峰山(にょほうさん)が選ばれるべきというのが持論である。

登山口から山頂までのアプローチの長さは標高差1900メートルと日本アルプスの山々と比較しても堂々たるものである。そして山頂にたどり着くまでに、この女峰山が見せる山肌の変化と景色の多様さは他に類を見ない。その名の通り、まさに女性のように姿を変える、衣装を変える。登山口は日光東照宮の裏手にあり、知る人も少ないひっそりとした杉林のなかにある。その標高は600メートル前後である。ここから2500メートルの山頂まで厳しい登山となる。その記録が昭和44年度秋山合宿として、栃高山岳部に残っている。わら半紙にガリ版刷りという当時では珍しくもない装丁である。その記録は40数年の時を経てセピア色に化しているが、その力強い文字は健在である。

「44年度 秋山合宿 女峰ー赤薙縦走 44年9月27日・28日 栃高山岳部」と表紙にある。その中身を抜粋する。

メンバー 初谷光彦 小堀誠 CL関口芳弘 SL石塚一郎 山口詳二朗 鈴木俊夫 大橋博 山根良典 田村志郎 (装備)前田育宏 橋本一美 (食糧)

9月27日

12:30 部室集合 すみやかに着替え 石塚・大橋は駅で回数券を購入するため先に出発。
1:15 準備体操終了後に出発。 快晴 雲量3 上空に絹雲、絹積雲 高積雲あり。
1:45 快速日光行き乗車 (回数券利用ー多人数の場合は非常に便利)雲量3
2:30 東武日光駅到着 全天雲におおわれる。湯本行きバスにのろうとしたが運転手に市内バスに乗るよう指示され、これに従う。
2:43 公会堂前バス停着
2:55 二荒山神社横にある登山口にて登山カードを投入する。田村くつづれがひどくサビオを貼る。登山靴、くつ下が新しく、特に登山靴が小さかったためである。一年生は登山用具を購入する際に上級生に相談するべき。田村の手当てが終わってすぐ出発となる。

3:00 行者堂着 三本のポリタンクに水を入れ出発。ブッシュをかき分けながら樹林帯の中を黙々と進む。
3:55 「禁断の石」を通過 田村の靴ひもが良くほどけた。ラジオを出して歩きながら天気予報を聞く。
4:10 少休止 東から西へと一列にカラ松がはしっている場所 関口が天気図を書く。女峰方面には雲が低くたれこめている。気温14℃ いぜんとして全天曇り空 微風 周囲の山々が色彩を失い、まるで水墨画のような美しさが広がる。

4:25 出発 山口を先頭にクマザサ、灌木の茂る中を進む。
4:40 「稚児の墓」通過 田村のまめが痛そうである。歩調が著しく乱れている。
5:05 第1水場に到着 鈴木のラジウスから石油が漏れ、修理具を出してコックを閉めた。石塚の差し入れの梨が出た。みずみずしく実にうまい。むかずに皮ごとかじる。他に間食としてロールカステラがでた。12℃ 雲ってはいるが見晴らしは良い。

5:20 出発 先頭は鈴木
5:40 第2水場に到着 11℃ 薄暗くなっている。
幕営開始 8人用テントは山口・石塚 3人用テントは鈴木・前田・山根・田村が設営担当。関口・橋本は水汲みと炊事。大橋ラジウス、溝掘りとする。 テントのペグを打つのに木槌が不要なほど土が柔らかい。ポールが沈んでしまうので、空き缶を間に挟む。

6:20 設営完了 ポリタンクの数がはっきりせず、その中の1個に漏れがあった。点検不足。
7:00 夕食開始 献立は ボンカレー 朝鮮漬け らっきょう いわしの缶詰 ぜんざい
7:30 食事終了 ミーティングにて就寝8:30起床3:00出発5:00と決める。外は真っ暗闇で星ひとつない。石塚および一年生全員で食器洗いに行く。大橋・橋本ぐずぐずして、なかなか行こうとしない。他の者はテント内の整理、明日の相談、打ち合わせを行う。石塚が戻ってから全員で宇都木さん差し入れの梅酒を飲む。疲れた時には適度のアルコールが必要。橋本くつずれにサビオを貼る。

8:40 就寝 騒いで眠れなかた。テント内は割合暖かかった。

(TO BE CONTINUED)


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