タランティーノ、イーライ・ロス、ロバート・ロドリゲス…面白いホラーやスリラーには鉄板の方程式が存在するのをご存じだろうか。
①観客が反感を覚える主人公(たち)
②実はその主人公たちにも同情すべき悩みがあって…
③サイコ野郎に拉致されこれでもかとなぶられる
④いつのまにか主人公(たち)に共感している観客
⑤サイコ野郎に血の雨を降らせた後脱出成功
サム・ライムが製作をつとめ新人監督に撮らせた本作もまさにこの鉄板方程式がドンズバであてまる。
酒浸りの母親を嫌い妹とカリフォルニアへ移住することだけが希望のロッキー。親父が警備会社重役のためセキュリティシステムにはやたらと詳しいアレックスはそのロッキーに密かな思いを寄せている。そしてロッキーの恋人で根っからの小悪党マネー。空き巣を繰り返しながら小銭を稼いでいた3人組、元締めからの情報で盲目の元軍人宅に押し入る計画を立てるのだが…
実はこの老人には娘がいて、金持娘の運転する車にひかれて死んだため多大な示談金をもらっているらしいのだ。一見ヨボヨボの老人だが、賊が侵入したことに気づくやいなや昔の軍人魂がよみがえってしまったからさあ大変。しかし、この老人とこそ泥3人組の追いかけっこはさほど怖くはない。むしろ、逆に拉致されたロッキーが宙吊りにされ、老人が変な物を冷蔵庫から出してからこの映画は本領を発揮する。
「レイプはしない」
じゃあいったい何すんねん(・_・?)老人が手に持つ物の正体がわかったロッキーの身悶え方が半端ない。まっマジでー、やめてー、ノー、ヘールプ、ギャー(><*)ノ~~~~~このあたりから一人娘に先立たれた不憫な老人への同情はどこへやら。このクソ変態ジジイ一体なに考えとんねん、こらアレックス一発かましてやらんか、と独り言を呟いている自分に気づくだろう。しかし哀れアレックス、爺の逆襲にあいあえなく撃沈してしまう。
一度は車までたどりついたものの、麻酔から覚めた狂犬に足止めをくらって拷問屋敷に連れ戻されるロッキー。ここであきらめたら妹とのカリフォルニア行きが…その時ロッキーの手に○○○○○○が。反撃を開始するロッキー。観客のボルテージは最高潮に達し、いつのまにか応援団と化した観客は「ロッキー!ロッキー!」の大合唱\(^o^)/だ。(ちと映画が違うような…)。
これが本当のストックホルモン?症候群(なんつって)。
ドント・ブリーズ
監督 フェデ・アルバレス(2016年)
[オススメ度 ]