ネタばれせずにCINEるか

かなり悪いオヤジの超独断映画批評。ネタばれごめんの毒舌映画評論ですのでお取扱いにはご注意願います。

グッドナイト・マミー

2018年02月06日 | ネタバレなし批評篇


カンヌをお騒がせ中の変態監督ウルリッヒ・ザイドルの作品と思いきやさにあらず、その脚本をずっと担当していた奥さまヴェロニカ・フランツ監督によるホラームービーである。

ストーリー自体のオチは映画序盤ですでにバレバレなこの映画、その見所はいたいけな美少年双子がある理由で実のママさんをジワジワと痛めつけていく拷問シーンにある。

ペットの巨大ゴキブリ?を熟睡中のママに食わせるなんてのは序の口で、寝ている間に包帯でベッドに縛り付けたママを、虫眼鏡や瞬間接着剤、はさみで虐待していくシーンには思わずドキッとさせられることだろう。

何せその虐待の理由に打算や怨恨などの汚れがない分歯止めがきかず、次第にエスカレートしていくルーカス&エリアス君のまるで昆虫解剖でもしているような無垢なる表情に逆にイラッとさせられるのだ。

ウィーン駅でシリア難民たちに食料を配るボランティアの人たちをニュース等で見ていると、なぜ博愛精神の固まりのような人々の中からハネケやザイドル、そして本作のフランツのような自ら地獄にまみれたがる映画監督が生まれるのか不思議でしょうがない。

人間善いことをしすぎると悪いことをしてバランスをとろうとするような話を聞いたことがあるが、TVタレントの仕事をしている主人公のような女性セレブへの悪意を感じぜずにはいられない1本である。

グッドナイト・マミー
監督 ヴェロニカ・フランツ(2014年)
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