ネタばれせずにCINEるか

かなり悪いオヤジの超独断映画批評。ネタばれごめんの毒舌映画評論ですのでお取扱いにはご注意願います。

HOSTEL2

2008年03月13日 | 激辛こきおろし篇
『1』で唯一生き残った男の子が映画冒頭に登場し、本作品は『1』とほとんど同じシチュエーションでお話が展開していく。殺戮の舞台となるロケーション(スロバキア)やスーパーモデル級の美女がホステルに誘い込む手法などは前回とまったく同じ。唯一異なっているのが、前回の獲物がスケベ男×3人衆だったのに対し、今回の獲物がミーハーなアメリカ人の女の子に変更されている点ぐらいだろう。

しかし、クライマックスの拷問にいたるまでの前置きがはっきりいって長すぎて退屈だ。『1』ではかなりエロいシーンが前半挿入されていたため観客を飽きさせることはなかったが、ぬぎっぷりが異常に悪いヤンキーギャルズの戯れを見ていても、ただあくびが出るだけである。一見まともに見える温和な男が実は凶暴だったり、○○○の方がさらに残忍であったという意外な展開も、伏線の描写がかなり雑なため素直に受け入れることは難しい。

ただしこのシリーズには、内心アメリカ人のことを苦々しく思っているヨーロッパ人の本音が見え隠れしているところが面白い。ハンティングの対象となるのが、イタリアにお気楽な美術留学をしている金持アメリカ人の子女だったり、彼女たちの拷問を入札したアメリカのリッチ男2人組が迎える運命を見ていると、この映画の中には露骨な反米感情が渦巻いているのが感じとれるのだ。歴史と伝統を重んじるヨーロッパ人にとって、金の力だけでヨーロッパ文化を略奪しようとするヤンキーたちにガマンがならないかのように。もしかしたらこの映画、拷問をネタにしたアメリカ人監督による自虐作品なのかもしれない。

監督 イーライ・ロス(2007年)
〔オススメ度 

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