私は訪問してリハビリを提供する仕事をしています。
今日は総合病院に入院されている方の退院前訪問に同席させていただきました。
退院前訪問とは現状で退院してから自宅で困る事がないように退院の前に自宅の環境を本人、家族、病院のスタッフ等で確認します。
必要であれば介護保険サービスや福祉用具を事前に準備します。
今回は本人様の体調が優れなかったため、主介護者の奥さん、担当の作業療法士、ソーシャルワーカー、看護師、ケアマネジャー、そして私が集まりました。
退院後、リハビリの希望があり私が担当となります。
担当の作業療法士が寝室やお風呂、トイレ、生活動線等、現在の能力に合わせてアドバイスを行われていました。
◉座椅子は低くて立ち上がれない
→椅子に変更
◉寝室は狭いため電動ベッドが置けない
→寝室を客間に変更
◉玄関は段差が大きいため危険
→家の出入りは掃き出しの窓から
沢山の助言から様々な事が決まっていくように見えました。
ただ、私は大きな違和感を感じました。
確かに現在の能力から考えると上記の方法がベストかもしれません。
しかし、そのベストはスタッフ側から見たベストです。
本人様は退院したら、いつも使っていた座椅子、玄関、寝室さえ変わってしまいます。
環境を調整する場合は病前行っていた日常生活がベストです。
それをお聞きして、危険を取り除くためにマストをお伝えします。
次により快適になるためにベターを提案します。
決定権は本人様、ご家族が持つのが当然です。
私は少しでも現時点で決まり過ぎないように退院してからでも危なくない項目は退院してから決めるように提案しました。
病院の業務が多忙の中、ゆっくり病前の生活の様子を伺いながら進める事は難しいのはよく分かります。
その中で沢山の職種が今回集まった事は素晴らしいです。
退院はゴールではなく在宅生活のスタートです。
余白は大切となります。
そして、その余白を退院後一緒に考えて本人様、ご家族のベストに近づけるように支援したいです。