言語聴覚士の独り言

言語聴覚士の日記

死ぬ瞬間の5つの後悔

2025-01-12 21:34:00 | 
⒈ 自分に正直な人生を生きればよかった

 他人に期待された通りの人生を送らない。
 不健全な関係は断ち切り、「もうたくさん」と言える意志の強さも大切。
 自分の幸せに責任を持つことが、大切な出発点。

⒉ 働き過ぎなければよかった

 最期を迎えた人が一番大切だと思うのは、愛する人をどれだけ幸せにできたか、自分は好きなことにどれだけの時間を費やせたかだ。
 シンプルな生活は所有物や他人の評価などで自分の価値を確認しなくてもいられるようになる。

⒊ 思い切って自分の気持ちを伝えればよかった

 自分がどれだけ生きられるか、愛する人がいつまでこの世にいてくれるのか分からない。
 相手の反応は予想できない。けれど正直に話しはじめたことに驚かれても、最後には以前よりずっと健全な関係を築けるだろう。そうでない場合は、その人との関係は不健全だから断ち切るべきだ。

⒋ 友人と連絡を取り続ければよかった

 本当に大事な人や、一番大好きな人とは、どんな努力をしてでも連絡を取りつづける価値がある。
 最後に大切なのは愛情と人間関係だけだ。 
 死に直面していてもいなくても、最悪の時に笑わせてくれるのは友人たちだけだ。

⒌ 幸せをあきらめなければよかった

 幸せになるには自分の意志が大切。
 幸せになるには、毎日の行動すべてに感謝をすることが大切。
 人はなにかがうまくいけば幸せになれると考えがちだが、その反対もある。幸せを感じていれば、物事がうまくいくこともあるのだ。
 幸せは自分で選ぶものであると知れば人生の荒波にもみくちゃにされることもなくなる。


今、自分の人生をあらためて考えるのはとても重要だ。

自分の人生を変える選択をし、自分の心のままに生きる強さを持ち、後悔せずに死ねるように生きるべきだ。

それにはまず他人にも自分にも優しくなり、許せるようになればいい。自分を許すことはとても重要だ。

選ぶのは自分だ。

人生は自分だけのものだ。







いつまでも若いと思うなよ

2024-05-13 23:21:00 | 
年上の友人にもらった本です。

最近その友人を見ていると、今までにまして時間を大切にしているように思います。

この本は題名から受け取るイメージと実際の内容は少し乖離がありました。

“いつまでも若いと思うなよ”
だから若い時間を大切にしよう!

という内容ではなく、筆者の実体験を基に“老い”に対して知見が述べてあります。

人間は自分の人生時間の進み具合を「若さの残量」で計るようになる。

「老い」を認めたくないから「まだ若い」と言い張るのではなくて、「若い」という基準しか持ち合わせていないから、ついつい「まだ若い」になってしまう。

年寄りは条件反射が摩滅した以上、すべてにわたって脳味噌が出て行って直接に指示をしなければなりません。

その点で脳化人間の年寄りは意識的にならざるをえなくなるのですから、「しないですむんだったらボーッとしていたい」という状態にはなるんじゃないかと思います。

歴史的にみて、長寿の要因は遺伝と楽な人生を送ることです。

若い時はそうでもないが、年を取ると「過去の空白」が妙に浮かび上がって来る。

「ああいう関係があったらよかったな」という形で、過去の人との出会いを思い出す。

私は今年で43歳です。

「若い」と言われる時もあれば「おじさん」と言われる時もあります。

いつまでも若いとは思っていません。

そう言われると、意図的な動作は増え、過去の空白に想いを馳せる時があります。

誰でも自分の“老い”は初心者です。

この本はいわば年寄り入門書です。

少し肩の力を抜いて老いていけそうです😊

天才を殺す凡人

2024-03-07 23:03:00 | 
この本はビジネス書や自己啓発本に分類される本ですがストーリー仕立てで進み、大変読みやすく分かりやすいです。

内容を簡単に要約すると

世の中には3つの才能がある

天才:創造性が軸
秀才:再現性≒論理性が軸
凡人:共感性が軸

関係性は下の図の通り



◉軸:その人が「価値」を判断する上で、前提となるもの。絶対的
◉評価:軸に基づいて「Good」や「Bad」を評価すること。相対的

評価は相対的で変わる事があるが軸は変わる事はない。

従って、軸が異なることによるコミュニケーションの断絶はとてつもなく「平行線に近いもの」になる。

天才が創造性を実らせる為には数が多い凡人の共感を得る必要がある=凡人は天才を簡単に殺すことができる

また、秀才は天才に妬みと憧れの相反する気持ちを持っており、天才の創造性に再現性を与える最高の味方にも、創造性を論理的に批判する敵にもなりうる。

凡人の中には天才を理解できる共感の神がいる。

この共感の神が根回しすることによりイノベーションが起きる

反対にこの軸の異なるコミュニケーションの断絶が社会の停滞を生んでいる。

才能の奥義を知るステージ
①自分の才能を理解し、活かす
②相反する才能の力学を理解し、活用する
③武器を選び抜き、リミッターを外す

凡人、秀才、天才は使う主語が違う

凡人に多い主語:人メイン 
秀才に多い主語:組織やルールのどの善悪
天才に多い主語:世界や真理など、超越した何か

◉キラーワード
「あなたならどうしますか?」
これで主語を変換させて異なる才能を活かす

凡人の最強の武器は【自らの言葉】

自らの言葉で白状することで共感を得ることができる


この本は異端(天才)が生きにくい世の中で1人でも天才救いたい気持ちで書かれています。

私はこの本を読んで、人間関係の悩みの根本に近づいていると感じました。

人の話を聞くや、人を理解することが良いとされていますが、そもそも軸が異なることを理解しないと本当の意味での理解は難しいとなります。

私は40代です。若い才能に対して根回しができれば良いですが、せめて理解が困難だからといって殺すこと(老害)だけはしないようにしたいです。

私の拙い文章では分かりにくいと思います。ぜひ手に取って読んでみてください。






吃音の世界

2024-02-28 23:14:00 | 
私は言語聴覚士としてリハビリを提供しています。

吃音の知見を広げるために購読しました。

この本は吃音の当事者で医師の菊池良和さんが書かれています。

[吃音者数、年齢分布]
・人口の約1%、現在では約120万人


※成人でも一定数おり、受験や就職で困り顕在化する人も少なくない


[吃音の症状]
・連発:ぼ、ぼ、ぼ、ぼくは
・伸発:ぼーーーくは
・難発:…………ぼくは
※すべの言葉で症状が出るわけではない。環境、話す場面、話す言葉、話す相手など様々な条件によってありようは異なる
※身体運動や言い換えにより吃音症状を隠している当事者が多い(本当に言いたいことを、言いたいタイミングで言えていない)

[吃音の原因(誤り)]
・吃音者の真似をすることにより発症説
・左利き矯正説
・診断起因説(吃音と気付いたら本当に吃音になる)
・母親起因説(厳しいしつけ、愛情不足)
※これら全ては科学的根拠にもとずき否定されています

[吃音の原因]
・生まれ持った体質(DNA)
・急激な言語発達の副産物

[吃音の治療]



※幼少期から“吃音”という言葉を使うことは大切
→親の誤った原因論を修正、子どもも原因が分かり安心。また孤独を防ぎ一緒に対応策を考えることができる

※カミングアウトを行い周りの人からの揶揄いを予防、自己の話したらダメと思う気持ちを破る。周囲に吃音を理解している聞き手に
なってもらう

[適切なコミュニケーション]
・話している最中は邪魔することなく聞く
・話し終えたときに内容にきちんと反応する
※言葉の先取りや「ゆっくりでいい、深呼吸して」などの助言は良かれと思っていても不要


最近でも吃音者の自殺(吃音により社交不安障害)があるなど、まだまだ正しい吃音の情報は知れ渡っておらず苦しんでいる方は大勢おられます。

私は言語聴覚士として少しでも力になりたいと思い、もっと勉強すると同時に当事者と関わっていきます。


目の見えない白鳥さんとアートを見に行く

2024-02-03 12:42:00 | 
息子と何となく立ち寄った喫茶店で何となく目に留まり、気になって買った本です
本が気になったというより、洒落た喫茶店で本を買う行為がしたかったのかもしれません。

読んでみると非常に面白く、人間の本質に迫り、アートの素晴らしさに寄り添っています。

盲目の白鳥さんとアートを見る方法は連合いが言葉で伝えます。

言葉で伝える事で普通に鑑賞している時は見えていなかったモノが見えるようになる。

そんな体験が入り口で、何故白鳥さんとアートを鑑賞するのか

それは単に白鳥さんと一緒に時間を過ごしたいだけであった。

“わたしはただの人間だ。わたしは自分の毎日を生きることに必死で、東京の小さなマンションに住む自分をデフォルトにして周囲を眺めることしかできない。
唯一できることは、自分がいま見ていないその場所に77億人の命があり、それぞれ与えられた時を生きていることを絶えず想像することだ。わたしはすぐにそれを忘れてしまうから、多少の努力を伴う。努力と言うと、汗臭いけど、本を読み、旅をし、美術作品を見て、隣にいる人と話すこともその一つだ。そこで得たわずかばかりの知識と想像力を駆使し、ステレオタイプなものの見方や「人間はそういう生き物だから、しょうがない」と言う無力感と決別していく。知らないものに慄いたり、壁を作るのではなく、あるがままの存在に手を伸ばす。
そうして今起こっている現実を知ったうえで、目の前に不愉快な差別や優性思想の芽、耐え難い非道が目の前に現れた時、千手観音が無数の道具や武器で世界を救うように、私も非力ながら声を上げそれらをぶっ叩いていく人でありたい。世界の複雑さや自分の無力さを盾にしながら、ただぼーっと中立でいる事はもはやできない。”

“幸せを感じたその時間を、その先も信じていけるのかー。
人生は、荒野だ。
輝く満月が闇を照らしてくれる日もあれば、放置自転車とか路上に溜まった泥水とかに足をすくわれ、びしょ濡れになって石ころを蹴飛ばしたくなる日もある。幸せの絶頂にいるときは、ライフ・イズ・ワンダフル!なんて思うわけだけど、ワンダフルって大体長く続かない。後に残った現実はうんざりすることの連続で、特にドアをバンと閉めきって、毛布をかぶって寝てしまいたくなる。それでもー。それでもわたしは、この先もドアを開け、路上に出るだろう。そして、足元に広がる泥水を見つめ、そこから幸せな記憶を拾い出し、いま手にしているものは、路上の石ころなんかじゃないと信じるだろう。人は「時」と言うものに抗うことはできないけれど「時」を宝物にすることができるから。”

本の中には素晴らしい美しい言葉が沢山でできます。

大切な友人にプレゼントしようと思います。

ぜひ読んでみてください。