言語聴覚士の独り言

言語聴覚士の日記

雛人形と多様性

2024-02-20 23:40:00 | 日記
昨日、6歳の息子の参観に保育園へ行ってきました。

内容は工作でした。

雛人形を風船の張子で作成していました。

風船に白色の和紙を貼り、その上に折り紙を貼って、女雛と男雛を作っていきます。

その時に先生が言いました。

「肌色の折り紙を‥。すみません。今は肌色と言ったらダメでした。今はペールオレンジですね」

いわゆる肌色は日本人の肌の色なので、グローバルスタンダードではないという意味のようです。

次に男雛と女雛の着物の折り紙を選ぶ声かけの際は

「男の人っぽい黒や青色と女の人っぽいピンクや赤色を1枚ずつ選びましょう‥。すみません。これもいけませんね。何色でもいいので違う色を1枚ずつ選んでください」

これはジェンダーの固定概念を決めつけているとして現代は誤りとされています。

このやりとりを見て、私は最近の子どもは多様性を受け入れる教育を受けているのだと感心しました。

しかし、それと同時に2つの違和感を感じました。

1つ目はみんな同じ制服を着て、同じ物を製作している事と、人種や性差など多様性を学ぶことの矛盾です。

2つ目は雛人形自体が結婚式の意味合いもあり、結婚=女性の幸せ を助長してしまわないだろうか。という考えです。

言葉や上辺の多様性教育だけではなく(保育園の教育を否定しているわけではありません)、例えば制服をなくし、能力に合わせて飛び級を認めるなど、現代に合わせ構造自体を変えて多様性を認める社会に変える時期がきていると思います。

ひな祭りが始まった時代の価値観と今の価値観は当然変わっています。

従って、今の価値観に合わせて伝統文化をみてしまうと合わない点が出てくるのは当然です。

だからといって伝統文化を辞めたり排除するのはおかしいと思います。

また、外国人の人形や同性の人形など多様性を受け入れた雛人形に変えるのも違和感が拭えません。

これは差別をしているわけではなく、今の雛人形が本当に美しいからなくなったり、変化して欲しくない気持ちが強いです。

多様性を認め合う社会となっても雛人形はこのままの形で

「女の子の幸せを望む」という素晴らしい行事で、昔は結婚することが幸せと思っていた時代もあった。だからこのような人形なのだと受け継いでいくのが私は望ましいです。

昔が間違いで今が正解でもなく、時代により価値観が変わることも含めて学びだと思います。

我が家は娘もいるので雛人形をリビングに飾りひな祭りを楽しんでいます♪