実習の時、アルツハイマー型認知症の女性を担当させていただいた事がありました。
寝たきりで、幻覚が見えるほど重症な方でした。
いつも、個室の病室へ伺ってもこれと言って反応もなく、幻覚に対しての発言が多かった記憶があります。
毎日、「〇〇さん、こんにちは、今から一緒にお昼ご飯を食べましょう」
こんな感じで声をかけて病室に入っていた(摂食嚥下訓練で関わらせていただいていた)
ある日、いつものように声をかけて病室に入ると
「ちょっと待って、今、化粧をするから」
と明るい声で返答があった。
大変驚きました。
今までは食事の拒否や幻覚の話はありましたが、それ以外は無かったのです。
それから私はご飯の前に鏡とクシを渡して、身なりを整えていただきました。
容姿を褒めると笑顔も見られるようになりました。
女性の美に対する意識は本能に近い所にあるのだと思いました。
先日は老人ホームに入居中の脳血管性認知症の女性と訓練をしていました。
この方は訓練拒否も強く、保続(同じ言葉を繰り返す症状)がでており、その日は
「階段が見当たらないから帰れ!」
の繰り返しの発話でした。
訓練の合間に、「外の花が綺麗だから見に行こう」と私が言うと
「いいね!じゃあ今からお弁当作るね」
と返答がありました。
どんなに認知症が進行しても、女性の美意識や母性は残っているんですね。
女性は強くて美しいと改めておもいました。
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