木曜日朝から天候には恵まれず
曇り空を眺めてため息が出る
TCC竹島クラフトセンターの手織教室では生徒のHiramatuさんが
慎重に手紡ぎ車の準備を終えて緑綿を紡いでいた。
いつもと変わらぬ気持ちで
一心を糸に込めて挑むのは心地よい作業でもある
回転するツモの先から綿が糸に紡ぎ込まれる時
作者の心も引き込まれるのだ
何が楽しいって?
綿という物体が自分の手から糸という物体に変化していく
「私の操作によって物性の性格が変わる時が分かるのよ」
この糸を使って織る作品はブラウスだと言う
貴重な緑綿が糸となり織物に変わり、ブラウスを作るという、
人のやれない事を自分の手から生み出して見せる
一瞬の油断も見せず頭と目と手が同時に反応している
そんな世界をHiramatuさんは楽しんでいるのだろう。
傍には以前織った柿渋のバッグが置かれ
手作りを楽しむ余裕のある生き方を感じて嬉しい思いであった。
そんな時、私はコロナ禍の現実の世界にいた。
小麦粉の値上がりとか木材が手に入り難いとか
原料不足物不足とか言い始めた。
過去にもあったが何だか胡散臭い雰囲気が漂う
そういえばトイレットペーパー騒動も銀行の取り付け騒ぎも、
後から考えれば何かの思惑から起きた一時の騒動だったことは
間違いない。