1ヶ月前に予約があった12名様の手織体験の日になりました。
コロナ禍下では芝生広場のタープテント内で開催して来ましたが
台風の予報が出てコース予想から屋外では無理と判断して
工房内での開催と決めてお迎えしました。
久しぶりに手織体験用の織機が並んだ教室で体験の皆さんをお迎えをします。
12名の団体さんなので6名が先発で体験していただき、それが終わったら残りの
6名様が体験していただくように企画しておいたので、先ずは先発の皆さんが好きな色糸を決めて織機に向かいます。
会社員か学生さんか分からなかったので訊いてみたところ、何と名古屋の大学の皆さん
でした。
はじめに三河木綿の歴史と蒲郡の織物産業、なぜ観光地の中心に織物体験施設があるか、などなど説明させていただき三河木綿の手織体験にはいりました。
手織織機の道具としてした発生した5千年以上前から、織機の発明と改良が人類の繁栄の基礎にあったことは間違いないが、
大量生産の現代社会で私達はなぜ?古い織物システムを使って手織に興じるのか、
緯糸が一段ずつ織り込まれて布が現れる喜びを感じることは、アサリ採りの時アサリが少しづつ増えていくことは、生命の安全を感じる喜びと共通しているのではないか、
綿から糸に変わる糸紡ぎの時、学生たちも感嘆の声を上げた。
何千年も前の人類もその発見に驚き、そこからはじまる現代アートまでのファッションの変遷もこの生産システムが生み出したものだ。
目の前の織機から織り出されるコースターは小さい布であるが、そこに古来からの技術の発展と、今学生が描き出す布にアートを感じ、織り上げた時の完成の喜びの声を聞いて、
私も小踊りする様な喜びを感じていたのです。
織り上げた布を大切な宝物の様に扱う学生さんを見て、未来の社会もそう捨てた物じゃ無いなと感じて嬉しかったのです。