「もうすぐ織り終わります」
ガス糸を立葵で染めたショールが後少しで織り上がります。
織り上がりであっても完成では無い
でも何だかそわそわする雰囲気だ。
織物は一本づつ織る毎に完成が近づく事が目に見ることが出来る
”完成までに過去の作業の部分に手を入れたい”
それが出来ないのが織物である
織り終わりの時は来た。
胸がドキドキする!、
巻き取りギアーを解いて開いて見なければわからない現実が現れて来る
”何だか怖い”
経糸にカットが入る。
ハサミで切る事も出来るが、手で縛りを解く
一房毎に儀式のように糸を解く
「出来ました」
織物の全てがこの世に現れる、過去のありのままが現れた時、
「わー!良いね〜」
周りの人から歓声が上がる
”思う通りに出来たわ”
織物に穴を開ける
一本の糸が織物を引き裂く
捩り、捻り、穴を開けた
過去の困難がこの世に現れるように織られて来るのが手織である
「あーここは糸が切れて修正した所だわ」
「ここは上手く織れてた」
この織物全てが過去を織り表しているようだ
「さー、これからが問題だわ」
Hiramatuさんが言う通り仕上げが待っている
房も作り、湯通して、織物修正もやらなければならない
身につけて完成の写真はまた後ほどに発表しよう。