横浜市青葉区にある「こどもの国」。
もとは、東京陸軍兵器補給廠田奈填薬所であったところです。
通称「田奈弾薬庫」と呼ばれ、陸軍が使用する砲弾の製造・保管を行っていました。
敷地に走る二本の谷戸に沿って施設が設けられていましたが、作業エリアと保管エリアと大きく二つに分かれていました。運搬用に長津田駅から軍用鉄道線が引き込まれ、西と東と停車場が二つ設けられた大規模施設でした。
今の東急こどもの国線がそのなごりです。
西側の製造エリアは、遺構はほとんど残されていないのですが、保管エリアには横穴式弾薬庫が現在も10数基残っています。
構造は二つの横穴の奥を繋いだコの字型で、コンクリート製です。全部で33基造られました。
開口部はかさ上げされたステージ状になっており、運搬トラックの荷台を横付けできるように工夫されています。
この弾薬庫は、横穴を掘ったのではなく、丘陵の崖面を開削、平坦な土地を造成し、そこにコンクリート製弾薬庫の構造物を造り、完成後に覆土したものです。
用地買収は昭和13年頃から始まり、昭和16年にはほぼ完成したようです。
戦後は米軍に接収され朝鮮戦争の際に活躍しました。
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