2013年7月11日。
ペルー・コロンビア・ブラジルの三国の国境が交わる地点。僕はそこからボートに乗り、ブラジルのアマゾン河畔の都市、マナウスに向けて出発した。
行程は4日前後とのこと。寝床は屋外にハンモック。
船内には、特別に何かがあるわけではない。
両岸には、「まさにアマゾン」という熱帯雨林が広がっている。河の色は「まさにアマゾン」という茶褐色の色を湛え、滔々と流れている。
ただ日が登り、また沈み、時おりスコールに遭遇し…。
そこにはただ、ゆったりとした時間だけが流れている。
まさに「無」である。
ただただ、時間だけが流れていく。
ハンモックに揺られながら、ウトウトする。
ふと時計を見る。
まだ15分しか経っていない。
河岸を見る。
全く変わらない景色が、ただただそこには存る。
「無」は面白い。「無」は「有」であり、また「有」は「無」でもある。
色即是空、空即是色。アルファでありオメガである。始まりであり終わりである。
昔、XJAPANの元メンバー、hideが歌っていた。
「何にもないってこと、そりゃあ何でもありってこと」
この「無」は何にもないようで、実は何でも有るのかもしれない。
日本での忙しい日々は何でも有るようで、実は何にも無いのかもしれない。
「無」の時間は、実は最高に贅沢なのかもしれない。
「有」の時間は、実はただ囚われているのかもしれない。
不思議な思いの交錯を、アマゾンの流れは僕に問い掛けてくれる。
「無」は面白い。脳ミソを、変な方向に働かせてくれる。
突然、昔のことを思い出す。
どうでもいいような思い出、過去のちっぽけな栄光、大切な人を傷付け裏切ってしまった、取り返しのつかない失敗や愚行…。
突然、何かに閃いたりする。
今夜の有意義な過ごし方、次の国で挑戦したいこと、日本に帰ってからの計画…。
突然、孤独に怯えたりする。
無性に家族に会いたくなる、日本が恋しくなる、友人や彼女と無性に話がしたくなる…。
突然、不安に陥ったりする。
今の自分の行動に対して、これから先の未来、家族や彼女や友人のこと…。
突然、勇気が沸いてきたりもする。
俄然やる気になったり、何でもできるような気になったり、成功イメージがガンガン沸いてきたり…。
「無」は簡単に見えて、実は一番難しい存在なのかもしれない。
人は「無」の中でこそ、その真価が問われるのかもしれない。
「瞑想」という「無」の中での修行によって自らを高め続けてきた仏教の教えが、何だか少しだけ分かったような気がする。
少しだけ目を閉じる。
また目を開く。変わらぬアマゾンの流れと景色。
そこには相も変わらず「無」が在る。
「無」。なんと深いことか。
もう少し、上手に「無」と付き合える人間を目指そう。
2013年7月11日。マナウスに向かうボートのハンモックの上にて。
ペルー・コロンビア・ブラジルの三国の国境が交わる地点。僕はそこからボートに乗り、ブラジルのアマゾン河畔の都市、マナウスに向けて出発した。
行程は4日前後とのこと。寝床は屋外にハンモック。
船内には、特別に何かがあるわけではない。
両岸には、「まさにアマゾン」という熱帯雨林が広がっている。河の色は「まさにアマゾン」という茶褐色の色を湛え、滔々と流れている。
ただ日が登り、また沈み、時おりスコールに遭遇し…。
そこにはただ、ゆったりとした時間だけが流れている。
まさに「無」である。
ただただ、時間だけが流れていく。
ハンモックに揺られながら、ウトウトする。
ふと時計を見る。
まだ15分しか経っていない。
河岸を見る。
全く変わらない景色が、ただただそこには存る。
「無」は面白い。「無」は「有」であり、また「有」は「無」でもある。
色即是空、空即是色。アルファでありオメガである。始まりであり終わりである。
昔、XJAPANの元メンバー、hideが歌っていた。
「何にもないってこと、そりゃあ何でもありってこと」
この「無」は何にもないようで、実は何でも有るのかもしれない。
日本での忙しい日々は何でも有るようで、実は何にも無いのかもしれない。
「無」の時間は、実は最高に贅沢なのかもしれない。
「有」の時間は、実はただ囚われているのかもしれない。
不思議な思いの交錯を、アマゾンの流れは僕に問い掛けてくれる。
「無」は面白い。脳ミソを、変な方向に働かせてくれる。
突然、昔のことを思い出す。
どうでもいいような思い出、過去のちっぽけな栄光、大切な人を傷付け裏切ってしまった、取り返しのつかない失敗や愚行…。
突然、何かに閃いたりする。
今夜の有意義な過ごし方、次の国で挑戦したいこと、日本に帰ってからの計画…。
突然、孤独に怯えたりする。
無性に家族に会いたくなる、日本が恋しくなる、友人や彼女と無性に話がしたくなる…。
突然、不安に陥ったりする。
今の自分の行動に対して、これから先の未来、家族や彼女や友人のこと…。
突然、勇気が沸いてきたりもする。
俄然やる気になったり、何でもできるような気になったり、成功イメージがガンガン沸いてきたり…。
「無」は簡単に見えて、実は一番難しい存在なのかもしれない。
人は「無」の中でこそ、その真価が問われるのかもしれない。
「瞑想」という「無」の中での修行によって自らを高め続けてきた仏教の教えが、何だか少しだけ分かったような気がする。
少しだけ目を閉じる。
また目を開く。変わらぬアマゾンの流れと景色。
そこには相も変わらず「無」が在る。
「無」。なんと深いことか。
もう少し、上手に「無」と付き合える人間を目指そう。
2013年7月11日。マナウスに向かうボートのハンモックの上にて。
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