多分ほとんどの人が聞いたことあることばだと思いますが、「イクメン」です。
今日は授業で東京から特別にやってきて講演をしてくださったのですが。
名前は安藤哲也さん。
なんかよくわからないけど、多分ものすごい仕事をやってきた人で。
今じゃ有名な(って私は知らなかったのだけど)NPO法人ファザーリング・ジャパン(FJ)を立ち上げた方で、
今では、厚生労働省イクメンプロジェクト推進チームの座長までしている方みたいです。
私はそんなチームが厚生労働省にあることに驚きました。
それで、その人自身3人の子どもの父親で毎日働きながら、
自分で幼稚園児のお弁当を作って、お迎えにも行っているそうです。
朝4時には起きて活動し、仕事は定時の6時には切り上げ、会社を出るそうです。
奥さんもばりばり働いています。
この方のお話を聞いて、大きく幅広い視野で日本のいまについて考えさせられました。
いま日本には数々の問題があります。
そらたくさんの問題はありますが、出産や子育てについて考えた時の見えてくる現状をまずあげます。
・非婚、不妊、晩婚(晩産)→少子高齢化社会、労働力減
・離婚(年間25万件)→ひとり親家庭の増加
・育児ノイローゼ(産後うつ)、虐待、教育問題
・家族モデルの多様化(核家族化75%に)
・都市化/マンション化(地域社会の機能不全)
・縮む経済・伸びない所得(必然的に増える共働き家庭)
こんなところです。
これはこの安藤さんの資料から抜粋したまでです。
それでですね、
まぁ日本の人口はおじいちゃんおばあちゃんばかりになってきたし、
子どもは年々減るばかりで、その上の人たちを支える労働力となる若者、20代~60歳までの人たちのパワーが乏しい。
経済的にもみんな余裕はない、子どもひとりを18歳まで育て上げるのにいくらかかることか、、。
もう少し子どもの話をすると、将来この調子だと、1000年後にはこどもの出生率はゼロになるのだとか。
いまが1,39?とか。二人もいないんですよね。
1人目だけで経済的に精一杯だとか、二人目を作らないのは母親の夫に対する不満というか不安というか
もうあんなしんどい思いはしたくない、という想いが一番の理由らしい。
そこでなぜ、イクメン、なのかと。
なぜ男性が育児に協力的な方がよいのか。
父親が育児に関わるメリット。
・母親の育児ストレスが軽減される
・夫婦関係(パートナーシップ)が強まる
・子どもの成長に良い。言葉遣いや社会性が早く身に付く。子どもの良きモデルとなる。
・父親にとって→自活力がつく。地域に友達も増え、定年後、老後も楽しい
・仕事で有効な能力も身に付く。アイデアが仕事に活きる(時間の使い方がうまくなる)
・父親自身の世界が広がり、人生が楽しくなる。
ということなのですが、データ的にも父親が育児に関わることで
経済的にも発展するし、子どもの出生率はあがっているのです。
それは北欧のノルウェーやフィンランドやフランス、スイス、ドイツなどがいい例ですね。
彼らの国では平日父親は家に帰るのが16時や17時だそうです。
あちらでは父親が子どもを迎えにいって、母親が仕事終わりにスーパーで買い物、そして夕飯の準備。
もう17時半には家でワインを飲んで子どもと一緒に過ごし、こどもが寝静まってから外へ出てバーでサッカー観戦。
なんて日々。
いやぁ、確かに考えられないね、いまの日本からは。
どうしても意識だけで変われるところではなくて、
働いていると、自分の仕事は終わっていてもなかなか上司も同僚も帰らない中、自分だけ先に帰ることはできない、
ということで結局残ってしまったり。
働いている男性で帰る時間帯は21時以降が全体の45%だそうです。
いやぁ、大変だな、厳しいなぁとしみじみ。
その安藤さんが講演中に父親が夕飯にいるのは週何回だった?
平日はいた?とある生徒に問いかけると、首を横に振る。
私のことで言ったらそれは考えられないことだったから、あぁそういう家族もあるんだよなと驚いた。
また安藤さんはお父さんが食器洗うの見たことある?ないよねぇ、とか。
お父さんから絵本を読み聞かせてもらった記憶がある人~?と言って生徒に手を上げさせるが
300人中10数名。
私はお父さんが絵本には驚く方だったけど、まぁまぁ、色んな家族があれば、
そのうちそれぞれのやり方や、夫婦のあり方、家族の感じがあるものなのだ。
ちょっと隣を見ればわかることで、こうも違うか、というくらい、お隣さんだからといって似るものじゃない。
それが良い悪いではなくて、いやぁそういうものとして、家族というのは、
本当にその人にとっての唯一の家族なのだ。
ファザーリング=父親であることを楽しもう、だそうです。
父親というのはもちろん子どもにとっても大きな存在なのだけど、
その母親、つまり奥さんにとってどれだけ大きな存在なのか、というところなのです。
母親は自分で妊娠するから母親になるイメージや覚悟ができていて、
子どもが生まれてすぐはーい、お母さんだよーとできるけど、
父親はこどもが生まれてきてもまだなんとも父親スイッチが入らない。
そのスイッチは子どもと接すれば接するほど入ってくるものなのだとか。
父親も一緒になってその育児の楽しさと大変さを味わって母親と協力しあい、共感しあう、これが大切なんだそうな。
なんというか、別に北欧を見習えと言いたいわけでも、イクメン万歳とか言っているわけでもなくて、
そもそもイクメンということば自体は苦手であるし。
けど、何が言いたいってなーんかこう、あぁこういうことを進めている人もいるのか、ということになんかほっとしたし、
嬉しく思って、私はその人が言うことに全部うんうん、なんて思ったわけでは決してなくて。
言ったらその人は、ほんともちろんなことなんだけど私なんかよりもよっぽど現実的で経済的なこともよーく考えてて、しかも効率的なのだ。
これからの世の中は、遅い時間までちんたら仕事する人がえらいわけじゃない、
この100のことを80の枠の中でやれる人こそが求められている、と。
みんなそんな使える人間になりなさい、と。
六本木ヒルズで管理職をやっていた人が言うことばなのだと理解する。
あ、驚いたことに六本木ヒルズって2万人の人が毎日働いているらしい。
なんてこった。すごいこっちゃ、想像もつきません。いやはや。
東京のど真ん中でばりばり働いていたんだ、そういう人が言うことばはやっぱりどこか新鮮で
学生にとってはよっぽど現実的に聞こえただろうと思う。
しかも話し方がうまい。みんなを笑わせてくあの流れが、あぁやり手だなぁ慣れてるなぁと思ったのでした。
ああー、どんどん話がそれていますが、いやあのね、何が言いたいかって、
さぁ、私はどう生きていきたいんだ、この世の中。
どうこの日本と向き合って、どんな暮らしをしたいのか、そのためにできることはなんだろうって思ったんだ、ということなのです。
よい家族が生まれれば生まれるほど、社会は良くなる必然的に良い方向に向かうと思う。
だって、良い方向に向かいたいと思うはずだもんね。
その良い家族っていうのは、両親健在で~夫婦仲が良く~なんて言いやしない。
よくわからないけど、そうじゃないと思う。
どれがいいなんて私は言えないし知らないし。
ただ自分はどういうのでありたいか、ということなんだと思う。
父親でも母親でも関係なく、我が家に帰りたいって思える我が家を持てたらいいよね。
そういう想い、願いをみんな誰しも持っていいと思うのです。
そんなことを考えたのでした。
あーひとりでぺちゃくちゃ頭の中でしゃべってたのしかった、
のだけど、やっぱり誰かと話したいなぁ。