平和安全法制が成立した後の、大きな転機は第三次安倍改造内閣発足であろう。
今後安倍内閣が取り組む諸課題には、憲法改正が最大の注目を集める。
平和安全法制が成立する時点で、まことしやかに、憲法改正が遠のいたと言う論議が見える。
これは全くおかしな見方、考え方であって、憲法改正の機運は選挙民である日本国民が担うものである。
すると、代議制を取る民主主義の下では、盛大な憲法改正運動が巻き起こって当然であるように思う。
平和安全法制が成立すれば、憲法の矛盾点が更に明らかになって、憲法改正は当然に思える。
遠のくと考える識者は、一体、頭が可笑しいのではないかと思う。
平和安全法制自体が不完全である事は、日本国民も承知している。その理由の第一が民主党が対案を出さなかったこと、
第二には、メデイアの二分化があげられる。
もう一つ、憲法学者の存在のいい加減さである。違憲論議で憲法学者の大半は信頼を損なった。
彼らが憲法改正を言い出す恐れが無い事が明らかになったのである。
最近の朝生では、ケント・ギルバード氏が憲法9条は憲法違反と言った。
その見解には、当然と考える。日本国と日本人を守らないと解釈しえる憲法9条は
日本人の人権擁護に真に不具合である。平和安全法制論議でも、小川和久氏は、公聴会で
自衛隊や海保、警察の手足を縛らないで欲しいと具申した。敵兵はフリーハンドでやってくる。とも、
必要最小限の防備とか、歯止めとか、国家が占領されてからでは遅いのである。
しかも、日本一国では国家の存続も危ういのが常識となったのではないだろうか。
本当の安全保障論議は国会では、殊に、野党の口からは出てこなかったと考える。
2015.10.8 16:00更新
【第3次安倍改造内閣】
憲法改正へ「国民的議論を深める」 拉致、普天間…にじむ解決への決意
http://www.sankei.com/politics/news/151008/plt1510080002-n1.html
第三次安倍改造内閣について記者会見する安倍晋三首相=7日午後、首相官邸
9月の自民党総裁選で再選を決め、平成30年9月までの任期を手中に収めた安倍晋三首相。24年12月に再登板した首相は折り返し地点を迎え、い よいよ“後半戦”に突入するが、行く手にはいくつもの障壁が立ちはだかる。改造内閣の顔触れからは、その障壁に真っ向から挑もうとする首相の決意がにじみ 出る。
「この内閣は未来へ挑戦する内閣だ。1億総活躍という輝かしい未来を切り開くため、安倍内閣は新しい挑戦を始める」
首相は第3次改造内閣を発足させた7日夜の記者会見で、次なるターゲットに定める「1億総活躍」の言葉に力を込めた。
首相は改造内閣の成否を左右しかねないその任を初入閣の加藤勝信前官房副長官に委ねた。19年9月の第1次政権退任後に失意の中にあった首相を支え続けた側近中の側近だ。
首相は加藤氏の起用理由について「官邸主導の政権運営を支えてきた。霞が関の関係省庁を束ね、強いリーダーシップを発揮してきた」と説明した。
首相は加藤氏を拉致問題担当相にも任命した。北朝鮮による日本人拉致被害者の早期救出は首相の政治的宿命でもある。北朝鮮に拉致被害者らの再調査を約束さ せたが、報告期限の1年を過ぎても具体的な内容は示されていない。北朝鮮側の不誠実な対応に、高齢化が進む拉致被害者家族の不満が増大している。拉致問題 担当相の加藤氏起用には、官邸主導で拉致被害者の早期救出と家族との関係を維持するという強いメッセージが込められている。
また、日米両 政府が合意した米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設をめぐり、政府と沖縄県側の溝が深まる中、首相は沖縄県選出の参院議員、島尻安伊子 氏を沖縄北方担当相に充てた。来年1月には宜野湾市長選を控えており、基地負担軽減や沖縄振興をさらに進めると同時に、島尻氏を閣僚として送り込み、沖縄 県の民意の変化を促す狙いがある。
「自民党で長年、農政を引っ張ってきた方だ」
首相は記者会見で、農林水産相に起用した森山裕氏をこう紹介した。
大 筋合意にこぎ着けた環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)は、日本経済の成長戦略に欠かせないはずだが、大幅な関税引き下げに伴う負の側面ばかりが強調さ れた。来年夏に参院選を控え、農業票が離反することは避けたい。首相は負の影響を最小限に抑え込む考え。国内対策のとりまとめ役として、自民党農水族を牽 (けん)引(いん)してきた森山氏を充てたのは、そのためだ。
参院選は安倍内閣の後半戦で最大のヤマ場となる。首相の悲願である憲法改正を成し遂げるには必勝態勢で挑む必要がある。首相は記者会見で決意を示した。
「時代が求める憲法の姿、国のかたちについても国民的な議論を深めていきたい。少子高齢化をはじめ、長年の懸案だった諸課題に真正面から向き合って克服する。誇りある日本を作り上げ、そして次の世代にしっかりと引き渡していく」(峯匡孝)