
記憶とは違ってやわらかい手でした。
私はこの手で育てられました。
小さい頃はこの手に抱かれ、この手でクシュッと頭を撫でられ、
この手に引かれて歩きました。
小学校位になると、一緒に畑仕事をしたり、
ペンキを塗ったり、この手が私の手本でした。
この頃、私はワル餓鬼で、たまにこの手の拳骨を貰いました。
中、高とこの手を触れることはあまりありませんでした。
ただ、この手で稼いだお金で育てていただいた事は間違いありません。
社会人になってもだだこの手に頼るだけで、手助けをすることはありませんでした。
最近になって、松の剪定や庭仕事を教えてもらう際は、この手は良き手本となりました。
この頃はまだ、この手は節くれ立ってゴツゴツした、仕事人の手でした。
この手は常に私の人生の手本となってくれました。
この大きな手を超えることを目指して、頑張らなければと思っています。
最後の最後に、この手を握る事が出来て本当に良かったと思います。
私を導いてくれた、この手にはどれだけ感謝しても足りないでしょう。
最後にどうしても口に出来なかった言葉を
”ありがとう”