自然と音楽と・・/天山

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ノーベル賞と星新一の時代

2008-10-11 | Weblog
なんと日本人初の一年でノーベル賞が四つ。素晴らしい年になりました。湯川博士の中間子理論から始まったと言われる机上の理論。戦後に紙と鉛筆があれば出来る物理学でお金がかからないからなんてTVで伝えていましたが、紙と鉛筆だけで真実を考え出せる頭脳ってどうなっているのでしょうね。湯川博士の枕元には常に紙と鉛筆が置いてあったと聞くと、きっといつも理論と格闘していて、自分の勝手な想像ですが普通の人とはきっと違った雰囲気があったんだろうなと思ってしまいます。昔よく読んだ星新一のショートショートにはそんな博士と言われる人々がよく登場しますが、今回受賞の益川博士の雰囲気とか南部博士の見た目なんてのは星新一の本の挿絵に出てくるような感じで、夢が膨らみます。
星新一が所属していた日本SF作家クラブにはあの手塚治虫もいた時期があって、鉄腕アトムじゃないけれど、この博士と言われる人々が僕らにすごい世界を見せてくれるのではないかと憧れたものです。もちろん自分みたいな凡人には理解できない事ですが、反物質とかクオークとか素粒子とか自発的対称性の破れだとか聞くと、小中学校の頃、理科室にあった原子や電子がクルクル回る模型を見て胸がときめいた事を思い出します。大人になってから長い間そんな事はすっかり忘れていましたが、物質と反物質がいっしょになるとすごい光エネルギーを放出して物質は消えてしまう事だとかビッグバンは約137億年前に針の先端より小さなところから始まっただとかという、自分の生活に全く関係もなく役にも立たない事が(だから大人になってすっかり忘れたのだろうけれど)書いてある本を読み終わるとなんとも不思議な気持ちになりましたよね。
少し話は変わりますが下村博士がTVで若い人に向ける言葉として「困難な事にぶちあたっても折れたりやめてしまってはいけません。壁があればそれを乗り越え、諦めてはいけません」と述べられていましたが、80歳の博士の言葉は重みがあってズシンと響くものがありました。世間に目を向ければ大変な事が多々ありますが、自分を信じて壁にあたってもめげずにがんばって行きたいものです。