真夜中のつぶやき <murmur to oneself at midnight>

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頑な感性を揺らすモノ『旋律に抱かれて』

2012-07-08 | 読了本review

本日はガッシュです

火崎勇さん『旋律に抱かれて』
 ピアニストの受様は決まったはずの初コンサートを前に足踏み状態。
 恩師からもこのままなら中止するしかないと言われた受様は、偶然足を
 踏み入れていたパチンコ屋で失業中だという攻様に出会う事になり・・・

パチンコ屋で偶然知り合った失業中らしい男と
初リサイタルを控えて演奏に悩むピアニストの恋物語です

受様は3才でピアノを始めたピアニストです。

師匠の企画の元デビューリサイタルが決まりますが
受様の演奏は技巧だけで心がない中途半端な音だと
師匠に待ったをかけられてしまいます

生真面目な受様は
譜面に書かれた音を奏でる事は出来ても
師匠のいう音を感じると言う事が理解できません

師匠宅からの帰り道
街中にで一際大きな音に惹かれて
受様はパチンコ屋に入ります。

初めてて見よう見まねな受様は
当たってもどうしていいか判りません

まごつく受様に助けてくれたのは
無精髭もまだらな肉体労働系の男性でした。
彼が今回の攻様になります

自分とはまったく違う攻様と出会えた事は
いい気分転換になりますが

受様には『音を感じる』事が理解出来ず、
受様の演奏が変わる事はありませんでした。

そんな受様に攻様は世界は音で満ちていると言い
何か安心する音を見つけろと言います。

現在失業中と言う攻様ですが
ピアノの世界しか知らない受様には
息抜きできる楽しみな時間になっていきます。

師匠に最終通告を出された時に
攻様に会いたいと思う程になるのですが
この段階で攻様は受様にとって
現実逃避のための口実にしかすぎません

悩みを抜いた受様は自分がピアニストであり
演奏に悩んでいる事を攻様に打ち明けると
攻様は1枚のCDを聴かせてくれます。

それはジャズ奏者によるクラシックで
譜面どおりではない音ながらも
受様の心にも響く1曲でした。

聴き終えた受様に
攻様は身体で教えてやると言い出して

幼い頃からピアノを弾いてきて
ピアノの世界から出た事のなかった受様は

生真面目な性格ゆえに
個性を発揮する演奏が出来ません

そんな時に出会った攻様は失業中とはいいますが
世慣れていて業界人には見えないきやすさも有り
悩みを打ち明けるまでになります。

でも実は攻様は受様と同業者
受様と付き合ううちにピュアな彼に
好意を持ち始めていたのですよ

受様に無関係だからこそ
悩みを相談できるとまで言われちゃって
自分の職業を言い出せなくなってしまい
かなり悶々としちゃうのです。

秘密な匂いがプンプンなお話は
MYツボを刺激してやまないのですが

攻様の職業がお話の鍵になっているので
最初は受様と一緒にドキドキし
再読すると攻様の悶々にワクワクできて
とっても美味しいお話でした
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コメント
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