魂魄の狐神

天道の真髄は如何に?

日本経済の破綻への私見 第十三回(継接ぎだらけの無策)

2007-10-04 00:00:23 | 憲法考

農政改革基本構想について

 平成16年5月24日、首相官邸で開催された第3回食料・農業・農村政策推進本部(本部長:内閣総理大臣)において、農政改革に当たっての基本的な視点及び改革の方向について亀井農林水産大臣の考えを取りまとめた「農政改革基本構想」が発表されました。
 無くなった松岡利勝議員などはこの施策の推進に向かって強い取り組み姿勢を示していたが、成功するかに見えたこの施策も粗頓挫してしまったと言えよう。
 
 改革をするには社会の森羅万象総てに関る基本構想を打ち立て、其の理念に沿って個別の施策を立案し、他の分野の施策との整合を取り乍実施を進めていかなければなら無いものであり、部分的な改革は混乱を招き、社会に血を流すことを誘引させかねないのだ。まさに、小泉の改革はこの原理を考慮に入れず、継接ぎの変革と決め付けられる。結果、守るべき政権をも危うくさせる不満を創り、社会に大きな混乱を生じさせるに至ったのだ。つまり、金融政策を重視し、それのみに偏重した改革は、戦前にも大きな失敗例があり、其の教訓を生かさ無かったと言うよりも、小泉の無知蒙昧の発現として捉えられるものだったのだ。
 今回の農政改革は端的に言えば、農業生産の大規模化によって経営や農業機械の集約化や農業生産者の消減を狙ったもので、効率化によって農業生産物の競争力の強化と増産を目指し、牽いては国内需給率の引き上げをも確保しようとした政策であるのだ。しかし、このような政策は田畑の面的規模の大幅な拡大が無ければ、逆に生産者の淘汰を促進するばかりで、況してや余剰となった生産者に対する受け皿も作らなければ、生産者に過大な犠牲を強制する施策となってしまうのだが、耕作地の集約的拡大の手当ても無し(日本の実情からすれば最初から無理)に、行き成り、農業経営の法人化を進めるなどは、理念も計画性も無く後先考え無い全くの暴挙とも言える滅茶苦茶なものである。
 いずれ、今の政府の打ち出す政策は、社会全体の整合性を持ったものでは無く、全く各省庁間の連携も無い、縦割り組織の弊害を顕在化するものとしかなっていないのだ。   
 今回の農業政策は余りもの無策ぶりが目立つものではあったのだが、政府は国内政策に限らず、外交においても、大枠を考慮し、将来を見据えた視点に欠け、継接ぎだらけのその場限りの政策に終始して来たのだと決め付けることは政府の努力を根拠無く誹謗することとなろうか? 続く

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