①「グローバル化は国家否定の際物」
国家の概念はドイツの国法学者ゲオルク・イェリネックによる定式化以前から在った。領域,国民, そして主権が国家の三要素とされる。一定の境界線を持つ領域に,一定の排他的権利を持たした人々を,主権者とされた国民を従属させるという矛盾を抱えた政治権力によって統治するものとして近代 国家は意識されて来た。
19世紀以降,近代国家は国民主権をお題目だけに押さえ,国家の構成員の国民自身が自己統治する見せ掛けの国家運営の構図に依って,其の実、国家を我が物として操る輩が国民から利益を搾り取る権力構造と見せ掛けの国民主権とを並立させて運用されて来た。 有態に謂えば、国民を騙し々権力者の自己権益構造の構図を隠しつゝ成り立たせて来たのが近代国家の本姿と言える。然し、日本に限って言えば、上の様な構図も世界的潮流に連れて変わって終った結果、人口構成等の我が国の情勢の変化も生じたことから、今迄の「トリック」では其の儘国民を騙し続けることでは利益の簒奪が難しくなり収奪の手法を根底から変えざるを得なくなった。国家の権利者が新たに造り出したのが国家を否定するグローバル化だったのだ。
本来憲法が如何あれ、主権在民を装う国家で「国民から選ばれた代表者」が、国体以上に国家の様相を変えられる権限は持ってる訳が無いのである。
続く
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