人々が互いに関わり合って生活している場である所謂「世間」を「人間社会」という。類人猿というのも人間と同じく、子供は父母兄弟等濃い血縁と共の集団(群れ)に属して居るが、類人猿の子供が成長すると、其の子供は属して居た血縁集団から離れ新たに別の集団を構成して独自の縄張りを形成して、離脱した集団に反発することもあり得る。
人間社会は,血縁関係の濃い順に結び付きを深くして其れを広げて大規模な血縁集団或は其れ等の集団の幾つから成る共同社会を発展させて人間社会を成り立たせて来たのだが、ゴリラ、チンパンジー、ボノボも同じ様な社会を営んで来たと見られている。此れ等の動物には、集団内のメスが他の集団に移る形で婚姻関係を持つ特徴が見られる。血縁で結ばれた集団が以上の様に分離することで、一つの血縁関係集団が社会を取仕切ったり、御互い血縁関係を保つことを防ぐことに役立った。
人間社会に於いても類人猿が辿った彼等の社会の構成過程に観られる同じ過程を辿って来たものであり、人間社会に見られるインセスト・タブーという事柄は、類人猿の時代から始まった、窺い知ることが出来るのだ。
此処迄は、類人猿も人間も広大な地域と雖も、食物を求めてある一定の地域を流転移動して一定期間の仮の塒に定住する連続であったろう。 軈て人類に農耕が始まると比較的限定された地域に定住した集団或は幾つかの集団が紐帯してを造って其処で代々暮し続けた。 此の様に、一定地域に居住し社会生活を共に営むことに拠って成立する社会集団を地域集団若しくは地縁団体と呼ぶ。
続 く
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