訴訟の停止
[停止の制度]
〇種類~「訴訟の停止」とは、訴訟継続中に法律上訴訟を継続出来無い常態に成ることを言う。「停止」は主に、訴訟の継続を出来無く成った当事者を保護する為に設けられた制度であり、「双方審議主義」を実質的に保護する主旨に基づく。「停止」は、中断・中止及びその他の停止の3種に分けることが出来る。
〇効果
上記の場合に於も、「判決を送達すること」は出来ず、「判決の確定」は阻止される。⇒停止中に為された訴訟行為→無効。其の後停止が解消された場合にも、当然には有効になら無い。尤も、停止中に裁判所が為した訴訟行為が「当事者の責問権の放棄」亦は「喪失」に拠って有効となる余地は在る。裁判所が停止中にした裁判は、当事者が適法に代理されずに裁判を受けた場合に相当するので、其のことを理由に上告亦は再審に拠って取り消される。
2
上告は、次に掲げる事由があることを理由とするときも、することができる。ただし、第四号に掲げる事由については、第三十四条第二項(第五十九条において準用する場合を含む。)の規定による追認があったときは、この限りでない。
四
法定代理権、訴訟代理権又は代理人が訴訟行為をするのに必要な授権を欠いたこと。
第三十四条 2 訴訟能力、法定代理権又は訴訟行為をするのに必要な授権を欠く者がした訴訟行為は、これらを有するに至った当事者又は法定代理人の追認により、行為の時にさかのぼってその効力を生ずる。
[中断]
〇中断事由~「法廷の事由の発生」により訴訟手続きが当然に停止する場合である。
第百二十四条 次の各号に掲げる事由があるときは、訴訟手続は、中断する。この場合においては、それぞれ当該各号に定める者は、訴訟手続を受け継がなければならない。
一
当事者の死亡
相続人、相続財産管理人その他法令により訴訟を続行すべき者
相続人、相続財産管理人その他法令により訴訟を続行すべき者
二
当事者である法人の合併による消滅
合併によって設立された法人又は合併後存続する法人
合併によって設立された法人又は合併後存続する法人
三
当事者の訴訟能力の喪失又は法定代理人の死亡若しくは代理権の消滅
法定代理人又は訴訟能力を有するに至った当事者
法定代理人又は訴訟能力を有するに至った当事者
四
次のイからハまでに掲げる者の信託に関する任務の終了 当該イからハまでに定める者
イ 当事者である受託者 新たな受託者又は信託財産管理者若しくは信託財産法人管理人
ロ 当事者である信託財産管理者又は信託財産法人管理人 新たな受託者又は新たな信託財産管理者若しくは新たな信託財産法人管理人
ハ 当事者である信託管理人 受益者又は新たな信託管理人
五
一定の資格を有する者で自己の名で他人のために訴訟の当事者となるものの死亡その他の事由による資格の喪失
同一の資格を有する者
同一の資格を有する者
六
選定当事者の全員の死亡その他の事由による資格の喪失
4 破産手続が終了したときは、破産管財人を当事者とする破産財団に関する訴訟手続は、中断する。
中断は法律上訴訟追行が出来無い常態になった当事者を保護する為の制度であるから、
・・・・・・・
2 前項の規定は、訴訟代理人がある間は、適用しない。
〇中断の解消
第百二十四条 次の各号に掲げる事由があるときは、訴訟手続は、中断する。この場合においては、それぞれ当該各号に定める者は、訴訟手続を受け継がなければならない。
一
当事者の死亡
相続人、相続財産管理人その他法令により訴訟を続行すべき者
相続人、相続財産管理人その他法令により訴訟を続行すべき者
二
当事者である法人の合併による消滅
合併によって設立された法人又は合併後存続する法人
合併によって設立された法人又は合併後存続する法人
三
当事者の訴訟能力の喪失又は法定代理人の死亡若しくは代理権の消滅
法定代理人又は訴訟能力を有するに至った当事者
法定代理人又は訴訟能力を有するに至った当事者
四
次のイからハまでに掲げる者の信託に関する任務の終了 当該イからハまでに定める者
イ 当事者である受託者 新たな受託者又は信託財産管理者若しくは信託財産法人管理人
ロ 当事者である信託財産管理者又は信託財産法人管理人 新たな受託者又は新たな信託財産管理者若しくは新たな信託財産法人管理人
ハ 当事者である信託管理人 受益者又は新たな信託管理人
五
一定の資格を有する者で自己の名で他人のために訴訟の当事者となるものの死亡その他の事由による資格の喪失
同一の資格を有する者
同一の資格を有する者
六
選定当事者の全員の死亡その他の事由による資格の喪失
選定者の全員又は新たな選定当事者
選定者の全員又は新たな選定当事者
2
前項の規定は、訴訟代理人がある間は、適用しない。
3
第一項第一号に掲げる事由がある場合においても、相続人は、相続の放棄をすることができる間は、訴訟手続を受け継ぐことができない。
4
第一項第二号の規定は、合併をもって相手方に対抗することができない場合には、適用しない。
2
判決書又は第二百五十四条第二項(第三百七十四条第二項において準用する場合を含む。)の調書の送達後に中断した訴訟手続の受継の申立てがあった場合には、その判決をした裁判所は、その申立てについて裁判をしなければならない。
※(言渡しの方式の特則)
第二百五十四条 次に掲げる場合において、原告の請求を認容するときは、判決の言渡しは、第二百五十二条の規定(判決の言渡しは、判決書の原本に基づいてする。
)にかかわらず、判決書の原本に基づかないですることができる。
一
被告が口頭弁論において原告の主張した事実を争わず、その他何らの防御の方法をも提出しない場合
二
被告が公示送達による呼出しを受けたにもかかわらず口頭弁論の期日に出頭しない場合(被告の提出した準備書面が口頭弁論において陳述されたものとみなされた場合を除く。)
2
前項の規定により判決の言渡しをしたときは、裁判所は、判決書の作成に代えて、裁判所書記官に、当事者及び法定代理人、主文、請求並びに理由の要旨を、判決の言渡しをした口頭弁論期日の調書に記載させなければならない。
[中止]
2
裁判所は、前項の決定を取り消すことができる。
民事調停規則
第5条
【民事執行の手続の停止】
1 調停事件の係属する裁判所は、紛争の実情により事件を調停によって解決することが相当である場合において、調停の成立を不能にし又は著しく困難にするおそれがあるときは、申立てにより、担保を立てさせて、調停が終了するまで調停の目的となった権利に関する民事執行の手続を停止することを命ずることができる。ただし、裁判及び調書その他裁判所において作成する書面の記載に基づく民事執行の手続については、この限りでない。
裁判外紛争解決手続の利用の促進に関する法律
第二十六条 紛争の当事者が和解をすることができる民事上の紛争について当該紛争の当事者間に訴訟が係属する場合において、次の各号のいずれかに掲げる事由があり、かつ、当該紛争の当事者の共同の申立てがあるときは、受訴裁判所は、四月以内の期間を定めて訴訟手続を中止する旨の決定をすることができる。
一 当該紛争について、当該紛争の当事者間において認証紛争解決手続が実施されていること。
二 前号に規定する場合のほか、当該紛争の当事者間に認証紛争解決手続によって当該紛争の解決を図る旨の合意があること。
2 受訴裁判所は、いつでも前項の決定を取り消すことができる。
3 第一項の申立てを却下する決定及び前項の規定により第一項の決定を取り消す決定に対しては、不服を申し立てることができない。
特許法
2 訴えの提起又は仮差押命令若しくは仮処分命令の申立てがあつた場合において、必要があると認めるときは、裁判所は、査定が確定するまでその訴訟手続を中止することができる。
2 訴えの提起又は仮差押命令若しくは仮処分命令の申立てがあつた場合において、必要があると認めるときは、裁判所は、審決が確定するまでその訴訟手続を中止することができる。
3 裁判所は、特許権又は専用実施権の侵害に関する訴えの提起があつたときは、その旨を特許庁長官に通知するものとする。その訴訟手続が完結したときも、また同様とする。
4 特許庁長官は、前項に規定する通知を受けたときは、その特許権についての審判の請求の有無を裁判所に通知するものとする。その審判の請求書の却下の決定、審決又は請求の取下げがあつたときも、また同様とする。
5 裁判所は、前項の規定によりその特許権についての審判の請求があつた旨の通知を受けた場合において、当該訴訟において第百四条の三第一項の規定による攻撃又は防御の方法を記載した書面がその通知前に既に提出され、又はその通知後に最初に提出されたときは、その旨を特許庁長官に通知するものとする。
6 特許庁長官は、前項に規定する通知を受けたときは、裁判所に対し、当該訴訟の訴訟記録のうちその審判において審判官が必要と認める書面の写しの送付を求めることができる。
※(特許権者等の権利行使の制限)
第百四条の三 特許権又は専用実施権の侵害に係る訴訟において、当該特許が特許無効審判により又は当該特許権の存続期間の延長登録が延長登録無効審判により無効にされるべきものと認められるときは、特許権者又は専用実施権者は、相手方に対しその権利を行使することができない。
? 名文の規定が無い場合にも、「 裁判所は裁量により先決関係がある外の訴訟が決着するまで訴訟手続きを中止出来る」と言う考え方が有力である。
[其の他の停止]
?次回に続く
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