「最後は、この作り出した売上高をいかに効率よく利益に変えているか☞それが当期純利益率」

「これまで3つのフェーズに分けて分析指標を説明してきたが、この3つの式を掛け合わせるとどうなる?」

 3つの式を並べて書くと、分子と分母で消去できるものに横線を引いて式を整理し、最後に「=ROE」と書いた。

「実は、ROEはレバレッジ比率、総資本回転率、当期純利益率の掛け算で求まる。この考え方はデュポン・モデルといわれるもので、1920年代にアメリカの化学会社デュポンで編み出された考え方」

「実はこの計算式は事業全体のプロセスを表していが、計算式だけで説明されてもその意味するところがよくわからない。このような事業全体のプロセスを表す図と一緒に勉強すれば、その意味が簡単に理解できる」

 以上の財務諸表の説明から資本主義社会の仕組みが如何見えたかというのか?

 書き換えたBSとPLの図から視覚的に分かるのは、企業は投下資本を回収し乍プラス人件費等の費用を掛けた以上に当期純利益を出す為売上を上げて行かねば成りません。詰まり、企業活動を金で表せば、対社会に付加価値を認めさすことで企業は初めて存続できるのであって、外部から借りた部分の資本金に対する貸主への借り賃、詰まり、利子をも売上の一部で稼ぎ出さねばならないのだ。