付帯控訴
控訴人の控訴に対して、被控訴人が第一審判決のうち自己に不利益な部分の変更を求めてする控訴。
控訴は,判決等の送達を受けた日から2週間の不変期間内に提起しなければなりません。
なので,控訴期間(2週間)を過ぎると,控訴権がなくなり,控訴はできなくなります。
しかし,一方が控訴して控訴審が続いていれば,控訴審が終結する迄は何時でも,もう一方は,(控訴期限を過ぎていても)附帯控訴をすることができます。
例えば,原告が被告に対して100万円の請求をし,第一審で,『被告は,原告に対して70万円を支払え』という判決が出た場合原告は,「被告は控訴して争ってはこないみたいだし,(100万円までには30万円足らないけど)70万円で確定させてもいいか。」と思って,控訴しないで控訴期限をやり過ごしました
被告は,原告に「控訴はしない。」と思わせておいて,控訴期限内のギリギリに控訴しました。
控訴期限を過ぎてしまった今となっては,原告は控訴権が消滅しているので,控訴できません。
そうすると,当初100万円請求していたはずの被控訴人(原告)は,控訴審では,70万円から下がる(最悪の場合,0円)になるのを食い止めるだけしかできなくなります。
それではかわいそうなので,「相手が控訴してきたなら,こっちだって控訴してやる」という附帯控訴が認められています。
(附帯控訴)
第二百九十三条 被控訴人は、控訴権が消滅した後であっても、口頭弁論の終結に至るまで、附帯控訴をすることができる。
被控訴人(第一審の原告)は,控訴期限が過ぎても,「やはり100万円を全額支払え」と附帯控訴をすることができます。
ただし,附帯控訴という言葉どおり,元々の「控訴」に「附帯」するものなので,「控訴」の取下げや却下があったときは,附帯控訴も効力を失います。
(附帯控訴)
第二百九十三条
2 附帯控訴は、控訴の取下げがあったとき、又は不適法として控訴の却下があったときは、その効力を失う。ただし、控訴の要件を備えるものは、独立した控訴とみなす。
上の例でいうと,控訴審で,『なんだか100万円の支払を認めるという判決が出てしまいそうだ<shapetype id="_x0000_t75" stroked="f" filled="f" path="m@4@5l@4@11@9@11@9@5xe" o:preferrelative="t" o:spt="75" coordsize="21600,21600"> <stroke joinstyle="miter"></stroke><formulas><f eqn="if lineDrawn pixelLineWidth 0"></f><f eqn="sum @0 1 0"></f><f eqn="sum 0 0 @1"></f><f eqn="prod @2 1 2"></f><f eqn="prod @3 21600 pixelWidth"></f><f eqn="prod @3 21600 pixelHeight"></f><f eqn="sum @0 0 1"></f><f eqn="prod @6 1 2"></f><f eqn="prod @7 21600 pixelWidth"></f><f eqn="sum @8 21600 0"></f><f eqn="prod @7 21600 pixelHeight"></f><f eqn="sum @10 21600 0"></f></formulas><path o:connecttype="rect" gradientshapeok="t" o:extrusionok="f"></path><lock aspectratio="t" v:ext="edit"></lock></shapetype><shape id="_x0000_i1025" alt="あせあせ(飛び散る汗)" type="#_x0000_t75" style="WIDTH: 11.25pt; HEIGHT: 11.25pt"><imagedata o:href="http://blog.seesaa.jp/images_e/162.gif" src="file:///C:DOCUME~1wajinLOCALS~1Tempmsohtml11clip_image001.gif"></imagedata></shape>』,『第一審の判決の70万円で確定させてしまうほうが得策だ』と控訴人(第一審の被告)が思って,控訴を取り下げてしまいました
すると,附帯控訴も一緒に効力を失い,第一審判決(70万円)で確定してしまいます
(附帯控訴)
第二百九十三条
3 附帯控訴については、控訴に関する規定による。ただし、附帯控訴の提起は、附帯控訴状を控訴裁判所に提出してすることができる。
民事訴訟規則
(附帯控訴・法第二百九十三条)
第百七十八条 附帯控訴については、控訴に関する規定を準用する。
控訴の提起
控訴権のない当事者による控訴は,不適法として却下される。
[控訴提起の方式,効果]
控訴は,控訴期間内に控訴状を第一審裁判所に提出して提起する(286条)。控訴期間内に控訴が提起されると,第一審判決の確定は妨げられる(確定妨止の効力。控訴とは、第一審の判決に対して不服がある場合に、上級の裁判所に対してその判決の確定を遮断して新たな判決を求める不服申立てをいう。上訴の一つ。
(控訴期間)
第二百八十五条 控訴は、判決書又は第二百五十四条第二項の調書の送達を受けた日から二週間の不変期間内に提起しなければならない。ただし、その期間前に提起した控訴の効力を妨げない。
(控訴提起の方式)
第二百八十六条 控訴の提起は、控訴状を第一審裁判所に提出してしなければならない。
2 控訴状には、次に掲げる事項を記載しなければならない。
一 当事者及び法定代理人
二
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます