まず、むすび から
65歳以上の高齢者は29%を占めるが、50歳以上が日本社会の半数を占める人口動態を忘れてはいけないだろう。
自分だけでなく他者をも巻き込む自殺を「拡大自殺」と呼ぶそうだ。心理学者のフロイトによれば人間には「攻撃的で破壊する衝動」があるそうだ。これは自己だけでなく他者にも向かうと分析している。*フロイト「ヒトはなぜ戦争をするのか」
確かに、コロナ禍以降テレビ画面でも、そのような言動を続ける出演者を見かける。高齢だから死は当然だと感じさせる意見だ。老人の死に鈍感であるように聞こえるが、人間そのものの死に鈍感である。自分も同じ扱いを希望しているのだろう。自己破壊衝動に支配されているように見える。
さらに、テレビはこのようなことをまき散らす人間を登場させている。がむしゃらに働き、納税し、病気とは無縁な人間以外は邪魔者との風潮を作り出しているような気がする。
人間は誰しも年齢を重ねる事実を忘れているかのようだ。すぐに高齢者の仲間入りをする。既に日本の人口動態は半数が50代以上が占める。事実からは、非科学的な風潮でもある。
国の債務と経済力は見合っているのか。人口だけをコンパクトにすれば解決できない社会問題を抱える日本ではないか。
非合理的かつ非科学的であっても人間は残虐性を主張する動物であるらしい。これを受け入れる心理もある。これは人間史を見ればすぐに分かる。22年はプーチンという野蛮人を見ることになった。大量殺人を繰り返すがだれも止めれない。
他者への差別を助長することにより社会の分断を誰かが進めているのかもしれないが、自分の首を絞めていることでもある。以前なら幼稚な言動、非常識と言える社会の規範があった。
この手の発言者には、人間と生に関心がないのだろう。こういう風潮は止めさせなければならい。
はじめに
様々な病気をきっかけにして後遺症に苦しみ自殺をする人も多い。後遺症には特効薬がない。特に、就労世代(20~64歳)が後遺症に苦しむようになれば、当事者はもちろん家族も大きな打撃を受ける。リハビリ病院では「もう死にたい」と漏らす患者さんたちと一緒だったので、リアルすぎる問題でもある。
今回は「自殺」がテーマです。1897年にデュルケームは「自殺論」を刊行した。自殺を社会的原因と非社会的原因に分けた。自殺を社会科学として論じ、現代社会における個人の存立の危機を指摘した。自殺につながる社会的で構造的な要因は、取り除くべきだと考えます。
コロナ後遺症
さて、自殺の原因は健康が最大だ。人間が生きるためには健康が最大重要要素である。さらに、主因が健康か経済かは不明だが、コロナ原因による自殺が発生している。
平畑光一さん
本研究成果は、英文医学誌「JAMA Open Network」に掲載されました。(日本時間2022年3月30日午前1時)
研究成果のポイント
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[FT]コロナ後遺症、世界で1億人 治療法はなお初期段階
新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)の陰で、後遺症という名の公衆衛生上の危機も進行中だと医療専門家らが警告している。体力の低下をもたらすコロナ後遺症の患者は現在、全世界で1億人を超えると推計される。
コロナ後遺症、数十万人か 倦怠感1年以上も
治療は自己負担 支援拡充欠かせず
コロナ後遺症で最大400万人が働けず 米調査結果
コロナ後遺症、2年後も認知機能に影響 経済活動に負荷
新型コロナウイルスに感染した2年後でも、認知症の症状など認知機能に関する後遺症になるリスクが他の感染症より高いという報告がでてきた。英国では後遺症で約8万人の離職者が出たという試算もある。経済への影響を抑えるためにも感染者の増加を抑える対策が欠かせない。
出所 日本経済新聞
日本の自殺について
ところで日本全体の自殺について概観をみてみた。
女性の自殺、2年連続増 全体2万1000人で高止まり
小中高校生が増える
2021年の女性の自殺者数が7068人(前年比42人増)に上り、2年連続で増加したことが15日、警察庁の自殺統計(確定値)に基づく厚生労働省のまとめで分かった。男性は1万3939人(同116人減)で12年連続減。全体は2万1007人で前年より74人減ったものの、新型コロナウイルス流行前の19年より838人多く、高止まりとなっている。
厚労省自殺対策推進室は「さまざまな場面でコロナの影響が続いているとみられる」と分析。20年に過去最多の499人だった小中高生が26人減り473人となったことは「依然として高水準。注視する必要がある」としている。
女性の自殺の動機・原因は「健康問題」が最多で、前年比144人減の4375人。次いで「家庭問題」が65人増の1357人で、内訳は「夫婦関係の不和」223人、「家族の将来の悲観」215人などだった。「経済・生活問題」も29人増えて454人に上り、うち「生活苦」が185人と最も多かった。
男性を含めた全体でも経済・生活問題が160人増の3376人、家庭問題が72人増の3200人だった。
年代別では50代3618人、40代3575人、70代3009人の順に多く、50代が193人増、20代も90人増の2611人と増加が目立った。
小中高生の内訳は、小学生11人、中学生148人、高校生314人。うつ病などの精神疾患や学業不振、親子関係の不和が多かった。
人口10万人当たりの自殺者数(自殺死亡率)が多かった都道府県は、青森(23.7人)、山梨(同)、新潟(21.3人)など。
東日本大震災に関連した自殺者は6人で、前年より1人増。地域別では宮城が4人、岩手と福島が各1人だった。〔共同〕
ガンで自死する人間も多い
大変残念ではありますが、がんと診断されると、1年以内の自殺率が20倍以上になるというデータがあります。また、がんと診断された会社員の約3分の1が離職し、自営業者では17%が廃業したという調査結果もあります。
別の調査でも、がんと診断されると約2割の人が仕事を辞めていました。さらに問題なのは辞めたタイミングです。仕事を辞めた人のうち、32%は診断が確定した時点で、9%が診断から最初の治療までの間に離職していました。つまり、4割以上が、実際に治療を受ける前に辞めてしまっているのです。中川昭一さん(東京大学特任教授)
拡大自殺
さらに、自殺は多数の他者をも巻き込むことができる。最近は拡大自殺なる文字を見かける機会が増えた。やっかいで至極迷惑なことに自分の自殺に他者を巻き込む犯罪者も後を絶たない。
放火で奪われた「心のよりどころ」 患者800人ケア課題 大阪ビル放火
大阪・北新地のビル放火殺人事件では「西梅田こころとからだのクリニック」が現場となった。クリニックでは職場復帰を支援する「リワーク」に力を入れ、働きながら通えるよう夜間帯も診療。800人ほどが通っていたとされる。事件発生から約3週間。心のよりどころを奪われた患者たちからは不安や悩みの声が上がり、医療機関の受け入れやケアなどが課題となっている。
繰り返しますが、人間の命を軽視する風潮は危険だと思う。
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【参考】
(更新履歴)
①2022年3月27日17時、投稿。
②22年6月6日6時、更新。