since2016.11.20 更新2016.12.11
1、はじめにリオ五輪では韓国選手の活躍に較べ、日本はかなり見劣りしました。日本はクラブやボールの開発では科学技術でリードしていまが、スイング理論や育成などゴルフ文化全般に旧態の閉鎖性を感じざるを得ません。スイング理論でもMトレーサーや超スロー映像が普及し、スイングの実態がオープンになっていますが、思いのままを言葉として表現した百家争鳴の状態です。旧来のダウンスイング、バンプ&ターンが標準理論ですが、ボディターンに即した理論を確立すべきです。
1974年全米シニア・オープンで64才のマイク・オースチンは追い風の中ですが515ヤードを飛ばし公式戦での最長飛距離としてギネスブックに記録されました。HS70m/s 380ydは65才になった私の野望です。
私はゴルフのプロではありません。ゴルフを力学として少なからず考えてきた素人です。ゴルフスイングを力学として捉えた時、現在のスイング理論の大きな弱点が2つ指摘できます。
2、スイング理論で見落としている2つの重要事項
一つ目は回転力には2種類あることです。
トルク(回転力)、回転軸からある距離に働く力、モーター等の普通に使われる回転力です。ヘッドを梃子(てこ)の原理で加速させるのもトルクを働かせることです。
偶力(couple of forces)、回転とは逆方向の力です。てこの原理のように支点力点がありません。ヘッドの進行方向と逆の向きの力がグリップに働くことでヘッドに回転力が働きます。
グリップで回転力(トルク)をクラブに掛ければ、反作用としてグリップ(腕)の回転は遅くなります。同様に、グリップ(腕)の回転が減速すれば、ヘッドが先行する偶力が働きます。
クラブにトルクを掛ければシャフトは後方にしなり、ヘッドは開く力となって表れます。
一方、偶力を使えばシャフトは前方にしなり、ヘッドを閉じる力になります。トルクと偶力をバランスよく使うスイングではヘッドを返すために両腕のローテーションは無視できます。
スイング中に偶力が働く場所は何カ所かありますが、重要な所はトップからインパクトの途中、ハーフウエイで右肘が体側に近づき上腕の加速を止めれば、二の腕には偶力が働き加速します。さらに腕が伸び、両腕を締めれば肩の回転と同調し、肩の回転の減速で偶力が働き、クラブヘッドが加速します。
シャフトが前方に撓(しな)るスイング
キム・セヨン Sei-Young Kim(23)身長163cm PGA 2016ドライブディスタンス272yd Drive [10takes GOLF_스윙학개론]
ジェイソン・デイのスイング動画
2つ目は肩と腕で作るトライアングルの軽視です。ハーフウエイ後に両脇を閉めた状態は力学的に最も力が伝達する3角形となります。左腕は少し曲がり、右腕はより曲がっているのが普通ですが、肩の回転と腕の回転は連動しています。力が伝達しないのは手首(グリップ)です。インパクトでシャフトが遅れ、ヘッドが開くのは肩と腕が先行するからです。
スイングレッスンで重要なポイントは肩の回転の位置と連動する加速のポイントです。最大の力と効率のいいスイングこそ最速のヘッドスピードになります。スイングが体の回転力によって腕とクラブが振り振られる以上当然の帰着です。
ハーフウエイでのアンコック時の肩の位置?インパクト寸前の腰、肩の位置?
続く ご意見をお待ちしています