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「ゴジラの怒り」に立ち返るべき

2024年03月12日 15時12分37秒 | 一言
 ハーモニカやギターを鳴らし、くつろぐ船員たち。そこへ、いきなり閃光(せんこう)が走り目の前の海が爆発する。後に長きにわたってシリーズ化されてきた映画の始まりでした.

  度重なる水爆実験によって安住の地を追われ、放射能を浴びて変貌した生物。当初は「水爆大怪獣」と銘打たれたゴジラの第1作は、太平洋のビキニ環礁で米国が実施した水爆実験で日本の漁船が被災したことに着想をえてつくられました.

  ビキニ事件と同じ1954年に公開。作中では「放射能の雨」「原子マグロ」という言葉も使われています。敗戦からおよそ10年。当時の世相とともに、すべてを破壊していくゴジラの怒りに戦争の悲惨や人類の愚かさを映し出しています.

今年のアカデミー賞・視覚効果賞に山崎貴監督の「ゴジラ-1・0」が選ばれました。敗戦直後の東京を舞台にしたもので優れた撮影技術が評価されました。一方で、戦争や特攻の描き方には疑問の声もあがっています.

  今回の作品は日本で製作された実写版ゴジラの30作目。ほかにもハリウッド版やアニメ化されたものも。なかにはゴジラ誕生の出発点からかけ離れ、怪獣の恐怖や戦闘の迫真だけを追ったような作品もありました.

 アカデミー賞作品賞は、原爆の父といわれた米物理学者を題材にした「オッペンハイマー」が受賞しました。いまなお核に固執し、その恐怖とむきあっている人類への警鐘なのか。70年前に、核の脅威や人間のおごりを背負ったゴジラ。その原点に立ち返るときです。



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