一般理論を読む 目次第2章 古典派経済学の公準その失業は自発的か?非自発的か? 今までは、ケインズは古典派理論の前提(公準)を明らかにし、その前提はおかしいのではないか、と言っているだけである。根本的な批判にはなっていない。その根本的な批判のためには何が必要か、この項の最後に出てくる。 その前に、ケインズは「完全雇用の定義」を示すが、その表現は少々難解である。が、ここを理解しておかないと次章で? . . . 本文を読む
一般理論を読む 目次有効需要:EFFECTIVE DEMAND とは? 有効需要という言葉は多くの方が知っておられると思う。ではお聞きしたい。 有効需要って、何に対して≪有効≫なの? 英語では EFFECTIVE DEMAND である。demandは需要でいい。 effectiveは「有効」でいいのだろうか? 辞書を引いてみると「効力のある,有効な」という訳語が一番に出てくる。次に類 . . . 本文を読む
一般理論を読む 目次この不信心者め!あらゆる規制は撤廃して神の手に委ねよ! 今回から2回、ほぼ全文引用となる。 一般理論は85年前の書物だが、一般理論への反論も同じように「古く」、しかも変わっていない。ハイエク・ロビンズなどによるケインズ・ピグーなどへの反論(引用元 http://econdays.net/?p=258 コメントも)[訳者] 1932年の英タイムズ紙に掲載されたケインズやピグー . . . 本文を読む
一般理論を読む 目次合理的期待という”神”ロバート・ルーカス アメリカ合衆国の経済学者でシカゴ大学教授。1995年にノーベル経済学賞を受賞した。2002年アメリカ経済学会会長。合理的期待仮説の提唱者。 吉川洋はルーカスの次のような発言を直接聞いて報告とともにコメントしている。ケインズ―時代と経済学 (ちくま新書) 新書– 1995/6/1 より"一九 . . . 本文を読む
一般理論を読む 目次第3章 有効需要の原理有効需要の概念は誤解されている 今回から第3章突入である。全四回の解説となる。一般理論「第1編序論」はこの章で終わる。 ケインズの有効需要の原理の重要性は、いくら強調しも強調し過ぎることはない。なぜか? 前回触れたセイの法則を否定しているからである。 ゆえに、この章は難解である。難解である理由は、ほとんどの人が「商品が売れないと企業は市場か . . . 本文を読む
一般理論を読む 目次第3章 有効需要の原理雇用の理論の探求はここから始まる 需要は雇用の関数である。とは 雇用が増える⇒賃金が増える⇒需要が増える と理解した人。全然違います。 ケインズは総供給価格と総需要価格=期待売上収入について次のように書いている。「N人を雇用することによる産出量の総供給価格をZとすれば、ZとNの関係は、Z=φ(N)と書くことができる。これを総供 . . . 本文を読む
一般理論を読む 目次 第3章 有効需要の原理ケインズ自身の手になる「この理論」の要約を引用する。 流動性選好、資本の限界効率、利子率理論、長期期待理論がなくてもここまでは論述できる、ということである。有効需要の原理の射程は長いのだ。 消費性向と投資誘因、流動性選好、資本の限界効率、利子率理論、長期期待理論は、なぜ完全雇用は達成不可能なのか、を説明するための概念となる。 & . . . 本文を読む
一般理論を読む 目次第3章 有効需要の原理経済学には様々な目的があり、その目的によって立場があるが・・・ 一般理論を読み進めているうちに分かってくるのは、「貯蓄が失業を作り出だす」ということである。 第2編で展開されるが、第1編でもケインズはそのことを主張しているのだ。 借金の返済も貯蓄の一種である。投資や消費に回ることのない貯蓄は資金の余剰であって、その分だけ現在での雇用を減らし . . . 本文を読む
一般理論を読む 目次第3章 有効需要の原理経済学の不在 45年前、経済学部に籍を置いていたころ、マクロ経済学は空白であった。ケインズを講ずるわけでもなく、さりとてフリードマンもまだ猛威を振るってはいなかった。その頃、マルクスもケインズも「過去の人」扱いであり、彼らが提起した問題は「解決済み」とされていた。それどころかマルクスやケインズは「成長神話」を前提にしているとすら言われていたのである。 焦 . . . 本文を読む
古典派の三命題と常識の三命題 第1編が終わったところで少し振り返ってみたい。 ケインズは、古典派が次の三つの命題を「自明の前提」にしていると言う。実質賃金は現行雇用の限界不効用に等しい厳密な意味での非自発的失業は存在しない産出量と雇用がどのような水準にあったとしても総需要価格と総供給価格は等しくなるという意味で、供給は需要を創り出す 自明の前提とは常識のことであり、この三 . . . 本文を読む