goo blog サービス終了のお知らせ 

よみがえるケインズ

ケインズの一般理論を基に日本の現代資本主義を読み解いています。
カテゴリーが多岐に渡りすぎて整理を検討中。

「日経」と書いて愚か者と読む  「レトロ規制成長阻む」7月14日、日経新聞

2020年07月15日 | 日本経済を読む

 筆者界隈で「レトロ規制」って何だ?と話題になったので投稿する。

 見出しを拾うと「レトロ規制成長阻む」「コロナ後へ今こそ新戦略」「革新後進国」と勇ましい文句が並んでいる。

 「レトロ規制」とはどうも規制緩和の新造語らしい。レトロスペクティブな規制ということらしい。

 通常〇〇規制というとその分野での規制を言うだろう。レトロを売りものにしている業界に規制でもあったのかと思ったらどうも違う。文中レトロの定義もない。レトロという言葉は「古さやノスタルジーを感じさせる事物を好意的な意味で「レトロな」と形容する語としても使われる」というように使われるだろう。何とも座りが悪いが一面トップの大見出しで踊っているのだ。

 規制緩和だとか、岩盤規制に穴をあけるなどと言う言葉が流行ったが、具体的にどんな規制が問題なのか?というと中身がない。という状態が続いてきた。規制緩和という言葉も消費しつくされて今さら新味がない。そこで新造語でも作って流行らそう、とでもいうのだろう。レトロ規制とは旧来の規制という意味で理解しておいて間違いなさそうである。

 「革新後進国1」とあるからそういう連載が始まるのだろう。
 で、どういう規制を問題にしているのか?



 いかにも「小さい」のではないだろうか。日経の考える「成長」とはこのようなものなんだろうか?
いちいち論ずる気にもなれないが、一つだけ挙げると

「介護施設では入居者3人に対し職員を1人配置するよう義務付け。最新技術を使った生産性向上が進みにくく」とある。

 これを読んで「日経と書いて愚か者と読む」という言葉を思い出した。介護施設の人手不足は広く知られている。介護報酬は公定だから人手不足がすぐ賃金上昇に結びつかないところに問題があるだろう。職員を減らしていいなら最新技術を使った設備投資が進むだろうか?常識のある人なら労働条件が劣化すると考えるだろう。労働集約産業で設備投資が進むのは人件費が上昇したときだ。
 
 そもそも需要があっても資金が足りない産業の設備投資が進むだろうか。その設備投資の回収のめどは立つのだろうか。
 
 記事全体は規制緩和の日経節が炸裂しているが、規制のネタ探しも息切れ感が強い。このような記事を一面トップに持ってくる日経こそ「革新後進国」なんじゃないか?

問題は需要なんだよ。

最新の画像もっと見る