前回掲載した、FobesのThe World's Highest-Paid Athletesの続きです。ここからは、NFLに絞って話を進めましょう。
前回のリンク先をしっかり読んだ方はもうご存知かもしれませんが、ここでクイズを出します。2015年シーズンで、QBを除き最も高い収入を得ていたのは誰でしょう(100人のリストも作ってみました)。
データはFobes調べ。本記事は上記記事に書いてある数字に依拠しています(金額は万ドル、計算が一部合わない選手は誤差です。QBは赤字にしてみました)。
Rank | All | Name | Position | Team | Pay | Salary | Endorsements |
1 | 7 | Cam Newton | QB | CAR | 5310 | 4110 | 1200 |
2 | 13 | Eli Manning | QB | NYG | 4500 | 3700 | 800 |
3 | 14 | Joe Flacco | QB | BAL | 4450 | 4400 | 50 |
4 | 15 | Tom Brady | QB | NE | 4410 | 3610 | 800 |
5 | 18 | Russell Wilson | QB | SEA | 4180 | 3180 | 1000 |
6 | 20 | Philip Rivers | QB | SD | 3800 | 3750 | 45 |
7 | 26 | Marcell Dareus | DT | BUF | 3520 | 3510 | 10 |
8 | 27 | Peyton Manning | QB | DEN | 3420 | 1920 | 1500 |
9 | 30 | A.J. Green | WR | CIN | 3330 | 3280 | 50 |
10 | 35 | Drew Brees | QB | NO | 3100 | 1900 | 1200 |
11 | 39 | Olivier Vernon | DE | NYG | 2900 | 2880 | 20 |
12 | 43 | Julio Jones | WR | ATL | 2720 | 2600 | 120 |
13 | 44 | Luke Kuechly | MLB | CAR | 2710 | 2610 | 100 |
14 | 51 | Cameron Jordan | DE | NO | 2590 | 2580 | 10 |
15 | 54 | Trent Williams | T | WAS | 2560 | 2550 | 7.5 |
16 | 61 | Sam Bradford | QB | PHI | 2430 | 2400 | 30 |
17 | 71 | Dez Bryant | WR | DAL | 2350 | 2300 | 50 |
18 | 73 | Demaryius Thomas | WR | DEN | 2340 | 2220 | 120 |
19 | 79 | Anthony Castonzo | T | IND | 2250 | 2250 | 3.5 |
20 | 90 | Justin Houston | OLB | KC | 2180 | 2170 | 10 |
21 | 95 | Cameron Heyward | DE | PIT | 2120 | 2100 | 15 |
答えは、BUFのDTを務める、Marcell Dareus(Jersey Numberは99)。恥を忍んで懺悔すると、筆者はこの選手の存在すら知りませんでした。
Olivier Vernon(NYG、同54)やCameron Jordan(NO、同94)についても同じです。オフェンスのスキルポジション、ディフェンスならLBを中心に試合を見ていることがバレバレですね。
NFL全体で一番高い収入を得たのはCam Newton(#7)であると前回も書きました。以下、Eli Manning(#13) 、Joe Flacco(#14) 、Tom Brady(#15) 、Russell Wilson(#18) 、Philip Rivers(#20) までが20位圏内に入っています。
EliとRiversは入団のときから因縁がある二人ですが収入面でも面白い結果が。球団から得ているSalaryではRiversのほうが上ですが、Endorsementsの額があまりに違っています(800万ドルと45万ドル)。
この差がEliのSuper Bowlを2度制したものの余裕なのか、大市場NYで長年先発QBを務めてきた成果なのか、その両方なのかもしれません。逆に言えば、Super Bowlを獲っていないRiversとBradfordのSalaryが高いのは興味深いですね。
このリストを見て、Aaron Rodgersが入っていないじゃないかという方がいるかもしれません。少なくとも筆者はそう思いました。調べてみると、前年2015年は全体で95位でしたが、2016年はSalaryが1160万ドルで、Endorsementsが750万ドルの計1910万ドルで圏外(100位には入れなかった)とのことでした。
このほか例えば、前年上位にいたBen Roethlisbergerの名前もありません。なんでそうなったかについては契約をいろいろ調べないとわかりませんが、本コラムの目的がFobesのランキングを検証することではないのでここは省略します。
以前、Tom Bradyの年俸は抑え目でその分ほかの選手のサラリーに回している的な表現をしましたが、なんだかんだ言ってもらうもの(年俸3600万ドル)はもらっています。
QBでは、ここには名前がありませんが、先日Andrew LuckがINDと大型契約を結んだニュースが流れていました。次年度のランキングには当然名を連ねてくることでしょう。
こうしてランクを見ていて、いわゆる年俸と感じるのはQBの優遇っぷり。Endorsementsについては、WRやLBなどと比べて1桁、ほかのポジションとは2桁違います。チームの攻撃の顔として必ずカメラに映るQBが、高くなるのは当たり前ではありますが、ここまで露骨になるとちょっと考え物です。
Endorsementsについては、2015年秋時点の金額をまとめた記事がありましたのでこちらを見てみましょう。2016年でトップの収入を得たCam Newtonが入っていないなど金額や順位は上の表と若干異なりますが、Fobesが数字をまとめた時期が異なるためですのでご容赦ください。
1位だったのは、1200万ドルを得たPeyton Manning。このあたり、長年リーグを引っ張ってきた成果と人柄が反映されたのでしょうか。PizzaチェーンのPapa John'sはPeytonがコロラド州内21店舗を買収したとニュースになったこともありました。Peytonが引退後もNationwideのCMに出演していたのは目撃しましたが、これからはその露出はどうなるでしょう。
ほかには、NFL Gamepassを見ていてCMに登場する選手が上位に名を連ねます。総収入のランキングにはなかったRodgersやRomoといったQBのほか、J.J WattやMarshawn Lynchが挙がっていました。人気と人柄、そしてわかりやすい特徴(LynchのSkittlesとか)があると、採用されやすいということでしょうか。
人気で決まるEndorsementと契約のタイミングで上下するSalaryのバランスを保つことが、NFL選手として高い収入を得る秘訣でしょう。2015年シーズンだけでEndorsementsをDrew Breesに並ぶ2位の1200万ドルを獲得したNewtonのようになるのはどの選手なのでしょう。
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