ちょっと本業が忙しかったので、前回の更新から時間が空いてしまいました。
前回、2014年シーズンの結果から導かれる期待勝率と、当該シーズンの勝率を比較しました。前年の成績から導かれる期待勝率と当該シーズンの勝率の差が大きければ、そのチームのパフォーマンスが高かったということでしたね。
ところが2014年シーズンが終了してから、FAやトレード、ドラフトを経ているわけですから、2015年シーズンのチームの強さは変わっているはずです。では2015年シーズンの現実の成績を基に、対戦相手が一番強かったチームを計算することにしました。
すこし数字をこねくり回しますが、最終的にちょっとした結論にたどり着きますので最後までお読みください。
まず毎年の対戦難易度の決め方をおさらいしましょう。
* 同カンファレンスの同地区の3チームと2試合ずつ(計6試合)
* 同カンファレンスの別地区の4チームと1試合ずつ(計4試合)
* 別カンファレンスの1地区の4チームと1試合ずつ(計4試合)
* 同カンファレンス内で対戦のない2地区における、前シーズンの地区順位が同じチームと1試合ずつ(計2試合)
文字だけではわかりづらいのでNE(左上にある灰色の部分)の算出方法を図示したのが図です。
ここで2015年シーズンの各チームの成績から、各チームの対戦相手の勝率を求めてみましょう。
以前、次シーズンの対戦難易度を算出したときに使ったテーブルで普通に計算すると下記の通りになります。各地区のチームが2014年の順位で並んでいるのは、上に示したように、前年の順位で対戦相手が決まっているため、エクセルでの計算を単純化できるという事情からです。
できたのは一番右の表(2015年シーズン対戦相手の勝率)。一番対戦相手の勝率が高かったのはCHIであることを計算して(256試合中、147勝を挙げていました)、 これで終わりかと思ったのですが、なんかおかしい。これは正確な対戦相手の勝率ではないと気づきました。というのは、そこに自チームとの対戦結果も入っているからです。
例えばCARとNYJの対戦相手の勝率は0.441(113勝143敗)で同じです。しかしここには、CARがあげた15勝1敗(対戦相手から見て1勝15敗)とNYJがあげた10勝6敗(同じく6勝10敗)が加味されています。
つまりそれを取り除いてあげないと、対戦相手の本当の勝率がわからないことになります。対戦相手の成績から1勝15敗が取り除かれる分、CARの対戦相手の方がNYJの対戦相手よりも勝率は高くなるでしょう。
じゃあ、CARの対戦相手の成績は113勝143敗から1勝15敗を引いた112勝128敗でいいのかというと、そうではないのです。なぜだかお分かりでしょうか。それは同じ地区3チームと2回対戦しているからです。
CARの対戦相手の勝率を単純計算する場合、RSの16試合で戦ったチームの勝ち数を足し合わせることから算出できます。16チーム(正確には1回対戦した10チームと、2回対戦した3チーム)の16戦の勝敗ですから、16チーム×16試合=256試合で、113勝143敗ですから勝率は0.441になります。
ここから自分のチームと対戦した勝敗を差し引くということは、他地区の10チームは自分との対戦を引いた15試合の結果を計算すればよいのですが、同地区の3チームは自分との戦いを2試合引いた14試合の結果を計算しないといけません。
補正後勝敗と書いた列がこれに相当します。例えばWeek6で対戦したSEAは、レギュラーシーズンは10勝6敗だったけど、CARとの対戦結果である1敗を引くため10勝5敗と補正します。同地区(水色の部分)のTBは、レギュラーシーズンは6勝10敗だったけど、CARとの対戦結果である2敗を引いて6勝8敗になります。ATLは8勝8敗でしたがCARとは1勝1敗だったので、7勝7敗の成績を上げたチームとなります。
こうして足し合わせたCARの対戦相手の勝敗数は111勝123敗=15試合×10チーム×1回対戦+14試合×3チーム×2回対戦=234試合となります(113勝143敗から1勝15敗を引いた112勝128敗ではありません)。
勝率は111/234=0.474になります。つまりCARは他チームと戦って勝率が0.474のチームと16試合を戦って、0.938の勝率を上げたことになります。
対戦相手達の勝率からCARの期待勝率をはじき出すなら、1-0.474となりますから、0.526ですね。つまり0.938-0.526=0.412が実際の勝率と期待勝率の差。これがCARの2015年シーズンのパフォーマンスとなります。
つまり、普通に戦うと0.526の勝率を見込める16チームと戦って、0.938の勝率を上げたわけです。この差の0.412は非常に高いパフォーマンスといえるでしょう。
検算の意味を含めて、同じ計算をGBの試合結果で計算してみましょう。
GBの対戦相手16チームは普通に計算すると0.531(136勝120敗)になります(相手勝敗)。そこからGBの対戦結果を除いた勝敗は、自分との対戦結果を差し引いた10チームの勝敗と、地区内3チームの勝敗(2回分)を足し合わせればいいわけですね(補正後勝敗)。結果234試合で127勝107敗となりました。
GBは期待勝率(1-0.543=0.457)の相手から0.625の勝率を上げたチームとなりました。パフォーマンスは0.168となりました。
ちょっと長くなりましたね。今日はここまでとして、次回に全チームの2015年シーズンのパフォーマンスを検証しましょう。
なお、ここまでの計算に不備などありましたらご指摘ください。よろしくお願いします。
2015年シーズンからアメリカンフットボールのFANTASY FOOTBALL を楽しんでいるトーマスといいます。NFLだけでなく、MLBやNBAについても語りますのでよろしくお願いします。
AFC東 | BUF | バッファロー・ビルズ | NFC東 | DAL | ダラス・カウボーイズ |
---|---|---|---|---|---|
MIA | マイアミ・ドルフィンズ | NYG | ニューヨーク・ジャイアンツ | ||
NE | ニューイングランド・ペイトリオッツ | PHI | フィラデルフィア・イーグルス | ||
NYJ | ニューヨーク・ジェッツ | WAS | ワシントン・レッドスキンズ | ||
AFC北 | BAL | ボルティモア・レイブンズ | NFC北 | CHI | シカゴ・ベアーズ |
CIN | シンシナティ・ベンガルズ | DET | デトロイト・ライオンズ | ||
CLE | クリーブランド・ブラウンズ | GB | グリーンベイ・パッカーズ | ||
PIT | ピッツバーグ・スティーラーズ | MIN | ミネソタ・バイキングス | ||
AFC南 | HOU | ヒューストン・テキサンズ | NFC南 | ATL | アトランタ・ファルコンズ |
IND | インディアナポリス・コルツ | CAR | カロライナ・パンサーズ | ||
JAX | ジャクソンビル・ジャガーズ | NO | ニューオリンズ・セインツ | ||
TEN | テネシー・タイタンズ | TB | タンパベイ・バッカニアーズ | ||
AFC西 | DEN | デンバー・ブロンコス | NFC西 | ARI | アリゾナ・カーディナルス |
KC | カンザスシティ・チーフス | LA(STL) | ロサンゼルス(セントルイス)・ラムズ | ||
OAK | オークランド・レイダース | SF | サンフランシスコ・49ers | ||
SD | サンディエゴ・チャージャース | SEA | シアトル・シーホークス |
はじめまして。コメントありがとうございます。管理人のトーマスです。
Fantasy歴15年とは大先輩ですね。ぜひ勝つための技をご教示いただきたいです。ご意見などありましたら今後ともよろしくお願いします!!
専らアメリカのサイトで情報を収集していますが、こちらも数学・統計的に説得力のある分析をされていて良いサイトですねえ。
日本ではこの様なサイトはなかなか無いんで、これからも更新が楽しみです。
自分もリーグをいくつか運営しているので、興味があればご参加下さい。