Fantasy Football(ファンタジーフットボール)戦記

NFLのFantasy Football(ファンタジーフットボール)のほかMLBやNBAについて語ります

MurrayからMayfieldまで、QB限定でJersey Numberを語る(2019年版、その1)

2020年02月09日 08時48分21秒 | Jersey
Super Bowlも終わったことで、暇を持て余したわけではないのですが、4年前にやった「あれ」を久しぶりにやってみることにしました。
 
「あれ」とはQB限定でJersey Numberを考察する記事のことです。以前は番号ごとに当時の有力選手を取り上げつつ、過去のRegendに話を振るというスキームでした。今回は2019年シーズンの動向と、4年前と現在の差分を中心に展開します。ですので、先に4年前の記事(前編後編)を読んでいただけると話が分かりやすいと思います。
 
なお今回も扱うのはQBだけ、つまり1~19番だけです。パスを投げたWRやらK、Pまで入ると収拾がつかなくなるので、同じ番号でもQB以外には手を広げません。
 
今回はできるだけ2019年シーズンに出場した全QBの名前に触れますが、控えQBでJersey Numberを支給されながらシーズン中に一度もPass Attemptのない選手は扱っておりません(例えば、SEAでRussell Wilsonの控えだったGeno Smithは一度もPass Attemptがありませんでしたので、本稿には表れません)。チームで最も多くの試合に出場したQBは、「Kyler Murray(ARI)」という具合に名前の後ろにカッコつきでチーム名を書いています。
 
今回も執筆にあたり、http://www.pro-football-reference.com/http://nfl.com、そして英語版のWikipediaを参考にしています。それからこの記事の資料編として2019年シーズンにQBとしてPass Attemptをした69人をまとめた表を作りました。これはこちらをご覧ください。
 
#1
 
この記事を久しぶりに書くきっかけの一つは、2019年NFLドラフトで全体1位指名を受けたKyler Murray(ARI)が、#1を選んだことでした。それまで#1を着けるQBはしばらくの間Cam Newtonだけでしたが、Murrayはドラフト全体1位指名の栄誉を残したいからなのか、Newtonの時代は終わったと思ったのか、#1を背負いました(MurrayはOkurahoma大でも#1を着けていたので当たり前の選択だったかもしれませんが)。そういえばNBAの2019年ドラフトで全体1位指名されたZion Williamsonも、Duke大学で着けていた#1をNBAでも選びましたね。
 
そのMurrayですが、他の3チームがすべて勝ち越したNFC西に在籍するARIながら、5勝1分けという成績を残しました。あの戦力を思えば、立派な成績と評価してよいと思います。来年以降のARIの躍進に期待したいところです。
 
一方のNewtonは自身のプレイスタイルによる負担が身体に現れたのか、ここ数年は振るいません。2018年シーズンは最後の2試合をお休みし、2019年シーズンは2試合の出場にとどまりました。
 
CARはHCのRon Riveraが去り、#Dの支柱だったLuke Kuechlyが28歳にして引退を表明しました。チームは再建期に直面することになり、Newtonの去就はオフシーズンの一つの話題となるでしょう。ただNewtonのことですから、移籍先がARIでない限りは#1を着けると思いますが。
 
#2
 
この番号を着けるQBはあまり多くありません。イメージとしてはPanterやKickerなどがつけるイメージが強いのですが、ちゃんと調べたわけではありません。
 
その中で、4年前から#2の第一人者の座を維持しているのがMatt Ryan(ATL)です。あのSuper Bowl LI(第51回)での大逆転劇の傷はいえているのでしょうか。チームが2018年に続き2019年も不振でしたが、Ryan自身はパスで4466ヤードを獲得するなど、一線級のQBの座を維持しました。
 
2019年シーズンの2試合目にBen Roethlisbergerがシーズンアウトとなったことを受け、8試合に先発したMason Rudolph(PIT)も#2ですね。Myles Garrettに自分のヘルメットを奪われ、そのヘルメットで直接頭を殴られるという事件の後遺症が心配です。
 
というのもRudolphはそれ以降にINTを連発し、Devlin Hodgesに先発を奪われたままシーズンを終えたからです。あの殴打のときに頭のネジが2~3本飛んだとかいうのでなければよいのですが。
 
それ以外で#2を着けたのは、DENで3試合に先発したBrandon Allenと、開幕直前のAndrew Luckの引退を受けINDが獲得したBrian Hoyer、DETで3回先発したJeff Driskel、HOUの最終戦に先発したA.J. McCarronがいます。
 
#3
 
この番号では、ベテランの領域に足を踏み入れたRussell Wilson(SEA)と、パス獲得ヤードとTDパス数、そしてINT数ですべて一位となったJameis Winston(TB)がいます。
 
Wilsonは2019年シーズン半ばまで、シーズンMVP候補に名前が挙がるほどの活躍でした。1年目にレギュラーに定着してから休みなく、SEAの先発QBを守り続けています(続行中のQBの連続先発128試合は、現役ではPhilip Riversに次ぐ2位です)。2019年のSEAは1回だけJosh Gordonのパス失敗が記録されていますが、それ以外は全てWilsonがパスを投げています。
 
WinstonはHCのBruse Ariansにパスを投げまくれと言われたのか、パスAttemptが1位(Jared Goffと同数)の626回で、パス獲得ヤードでは全QBトップの5109ヤードでした。TDパスもリーグ最多の33回でしたが、INTの回数30もリーグ1位。Fantasyの先発QBとしてはなかなか使いづらい選手でした(4年前の記事を読み返して今気が付きましたが、当時の筆者はWinstonのJersey Numberを#5だと思って記事を書いていたようです。昔の記事は訂正しておきました。ごめんなさい)。
 
#3のQBでは、DENの先発をシーズン終盤に任されるようになったDrew Lockと、ARIからMIAでのトレード後、先発QBの座をRyan Fitzpatrickに取り返されたJosh Rosenがいます。どちらも2020シーズンに先発QBの座を確保できるか注目です。
 
BALでLamar Jacksonの控えとなったRobert Griffin III(RG III)はルーキー時代の#10ではなく#3を着けています。三世の3でしょうかね。Alex TannyはNYGの控えの控えQBとして#3を着け、Week15の4Qに2スナップだけ受けて1回パスを成功させています。Will GrierとGarrett Gilbertについては省略します。
 
最後に、2019年シーズンのNYJに#3を付けたDavid FalesというQBがいたことを書き添えておきます。NYJでLuke Falkが先発をしたWeek3とWeek5の2試合で控えQBとして登録され、Week5の@PHIとWeek12のOAK相手に大差がついた状態で4回ずつスナップを受けています。ただFalesはどちらの試合でもPassを一度も投げなかったので(RBにハンドオフする役割)、記録として登場するのはPHI戦の4QでDerek BarnettにSackを浴びた7ヤードのロスだけでした(パスAttemptがないので、付録の表には存在しません)。
 
#4
 
4年前はDerek Carr(OAK)だけだった#4は、4年のうちに有力な若手QBが2人が着けるようになりました。
 
2019年シーズンのPlayoffに、#4を着けたQBとして一人だけ進出したのがDeshaun Watson(HOU)でした。Lamar Jacksonほどではありませんが、走れるQBとしての地位を確立し、ここ数年のHOUが安定した成績を挙げる原動力となっています。先日のAFC Divisional PlayoffでのPatrick Mahomesとのドラフト1巡目指名対決は残念でしたが、まだまだ活躍しそうです。
 
あれだけの戦力がありながらPlayoffを逃したDak Prescott(DAL)も#4です。2019年シーズン直前に同期のEzekiel Elliottがチームから契約延長を取り付けましたが、シーズン後にFAとなるPrescottにもDALは大枚をはたいてくれるのでしょうか。
 
2019年シーズンはTD数もパス獲得ヤードもJameis Winstonに次ぐ2位の成績でしたが、Prescottには「Elliottがいなければ並みのQB」という指摘もあります。ドラフト同期の2人がルーキーシーズンに大活躍したDALは幸運でしたが、2人がルーキー契約のうちに結果を出せなかったのは、(HCだけの責任にするつもりはありませんが、)とてつもなくもったいないことです。DALの新HCとなるMike McCarthyの最初の仕事は、Prescottの処遇となりそうです。
 
Derek Carrは久しぶりの好成績で、チームをPlayoff直前まで躍進させました。RBのJosh Jacobsが当たったという理由も大きいですが、Carr自身も4000ヤードを超えるパスを通し、パッサーレイティングは100を超えていました。チームは2020年シーズンからはLas Vegas Raidersなんですね。ちょっとまだ違和感があります。
 
残りの#4はChase DanielとSean Mannionという渋目の2人と、NEの控えだったルーキーのJarrett Stidham、そしてRyan Griffin がいました。Stidhamの未来はTom Bradyの処遇が決まらないことには見えてきません。
 
#5
 
#5はシーズンを通して活躍したQBがいません。
 
Joe Flacco(DEN)は8試合に先発しましたが、移籍1年目のDENであまりマッチせず2勝どまり。シーズン半ばで首を痛めて、IRリスト入りしました。Flaccoを放出したBALはLamar Jacksonを中心としたオフェンスを組み立て、全く別のチームになりました。しかもDENでルーキーのDrew Lockがシーズン終盤に5試合の先発を任されて4勝を挙げたこともあり、Flaccoの2020年シーズン以降には暗雲が垂れ込めています。
 
NOでDrew Breesの控えを務めたTeddy Bridgewaterは、Breesが怪我で退いている5試合に先発し、全試合で勝利を挙げるという結果を残しました。怪我をする前はMINの先発QBだったわけですから、本人からすればこの成績は当たり前かもしれません。
 
2019年シーズン前にMIAの先発QBの座を断ってNOに残ったとされるBridgewaterは、シーズン終了後にFAになります。多分、NOはBreesをFAで放出したり引退させたりすることはないでしょうから、Bridgewaterがどこかのチームから先発QBとして迎えられるかもしれません。
 
#5では、CINで3試合に先発したルーキーのRyan Finleyのほかに、Matt BarkleyやTyrod Taylor、Blake Bortlesがいました。この3人は以前は先発経験もあるベテランQB。いざというときにはリリーフできるという、まさにBridgewaterと同じ役割を期待されていたようです。
 
#6
 
2019年シーズンにチームとともに飛躍が期待されたBaker Mayfield(CLE)は、16試合に先発したものの6勝10敗。13試合に先発した2018年と同じ勝ち星(6勝)で、ほぼ同じ獲得ヤード数。それなのにTD数は前年を5つ下回り、INT数は前年を7つも上回りました。つまり、期待に応えられなかった2019年シーズンということになります。どうもOL(Offensive Line)が悪かったようで、チームがスキルポジションの選手獲得に力を入れすぎてしまった分、OLが今一つだったのかもしれません。
 
4年前も、Jay Cutlerくらいしか知名度の高いQBが着けることがなかった#6は、Mayfieldの登場によって救われたともいえます。Cutlerが引退した今、#6の新たな伝説を作ってほしいものです。
 
PITで6試合に先発した、2019年ドラフト外ルーキーDevlin Hodgesも#6を着けていました。Ben Roethlisbergerの欠場とMason Rudolphの不調で出場機会が巡ってきたHodgesですが、2020年シーズンも先発を任される存在となるかは今のところ不透明です。
 
と、ここまで書いて今日はおしまい。#7から先は明日以降に公開します。

2015年シーズンからアメリカンフットボールのFANTASY FOOTBALL を楽しんでいるトーマスといいます。NFLだけでなく、MLBやNBAについても語ります。

AFC東 BUF バッファロー・ビルズ NFC東 DAL ダラス・カウボーイズ
MIA マイアミ・ドルフィンズ NYG ニューヨーク・ジャイアンツ
NE ニューイングランド・ペイトリオッツ PHI フィラデルフィア・イーグルス
NYJ ニューヨーク・ジェッツ WAS ワシントン・レッドスキンズ
AFC北 BAL ボルティモア・レイブンズ NFC北 CHI シカゴ・ベアーズ
CIN シンシナティ・ベンガルズ DET デトロイト・ライオンズ
CLE クリーブランド・ブラウンズ GB グリーンベイ・パッカーズ
PIT ピッツバーグ・スティーラーズ MIN ミネソタ・バイキングス
AFC南 HOU ヒューストン・テキサンズ NFC南 ATL アトランタ・ファルコンズ
IND インディアナポリス・コルツ CAR カロライナ・パンサーズ
JAX ジャクソンビル・ジャガーズ NO ニューオリンズ・セインツ
TEN テネシー・タイタンズ TB タンパベイ・バッカニアーズ
AFC西 DEN デンバー・ブロンコス NFC西 ARI アリゾナ・カーディナルス
KC カンザスシティ・チーフス LAR ロサンゼルス・ラムズ
OAK オークランド・レイダース SF サンフランシスコ・49ers
LAC ロサンゼルス・チャージャース SEA シアトル・シーホークス

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