タックの庭仕事 -黄昏人生残日録-

≪ 北洋銀行・札幌銀行合併 ≫

P1000176 北洋銀行と札幌銀行が、十月十四日に対等合併し、新・北洋銀行が誕生した。どちらも無尽会社から出発し、相互銀行を経て、普通銀行に転換し北洋銀行・札幌銀行という行名となったが、銀行としては第二地銀の範疇に入る。
 私が小学生だった昭和二十年代後半、網走市に札幌銀行の前身<北海道無尽>の支店があり、見慣れた同じ社員が、毎月、一定の掛け金を集めに列車で聚落に回って来た。<北海道相互銀行>に転換後も、しばらくの間、<無尽屋さん>と呼んでいた記憶がある。
 北洋銀行の方が歴史が古く、大正六年創業だが、平成元年に相互銀行から普通銀行に転換しても、三流の地方銀行に過ぎなかった。それが、経営破綻した拓銀の後を引き継ぎ、今や、地銀の中で、合併後の「預金量は全国5位」(9月24日付『北海道新聞』第6面〈特集〉、写真を三枚とも転写)というのだから、経営・商売の栄枯盛衰は分からないものである。
P1000177P1000178 横内龍三頭取は、新・北洋銀行の強みを、「拓銀の資産を継承し、従来の北洋の取引先と合わせることで、圧倒的な法人取引の厚みをつくりあげることができました。これに札幌銀行の中小の取引先やリテール(個人向け金融)が加わることで、総合金融サービスが一層充実します。ワンストップで多様なニーズに応えられるようになります」(10月10日付、前掲新聞・11面〈経済〉)と強調したが、合併のわずか三日後に、赤字転落を発表することになるとは、神ならぬ身の知る由もなかった。

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