タックの庭仕事 -黄昏人生残日録-

≪ 底なし米株安「バッドバンク構想」不発 ≫

P1020037≪ニューヨーク三段なぞ≫
「証券取引所とかけて」何ととく
「降り積もる雪ととく」その心は
「冷え込んだまま」

 オバマ大統領が、二月十日に、バッドバンク(米政府と民間投資家が資金を出し合い、金融機関から不良資産を買い取る官民ファンド)構想を柱とする包括的な金融安定追加策を発表して以来、一か月近くになるが、米国の金融システム不安は収まる気配がまったくない。
P1020034P1020033_2 二月二十七日に金融大手のシティグループを政府管理とし、三月二日には保険大手AIGに追加資本注入を決めたが、二日のニューヨーク株式市場(証券取引所の写真は、3月4日付『讀賣新聞』第9面〈経済〉から転写)は、ダウ工業平均株価の終値(株価の推移グラフと米国の金融危機対応表の写真は、3月4日付『毎日新聞』第9面〈経済〉から転写)が、七千㌦の大台を大幅に割り込んで引けた。
 オバマ大統領は、選挙戦でブッシュ政権の金融安定化策を「その場しのぎ」と批判してきたが、いざ自分が手を打つとなると、危機克服の切り札となるべきバッドバンク構想の具体化どころか、ブッシュ時代と同様の対症療法に追われている。ブッシュ前大統領は苦笑を禁じ得ないだろう。
 追い打ちをかけるように、米労働省が六日に発表した二月の雇用統計(3月7日付『北海道新聞』第10面〈経済〉で、失業率が前月の7.6%から8.1%に悪化したことに反応し、六日の米ダウ工業平均株価は、6469.95㌦まで続落、最終的に小幅に反発し6626.94㌦の終値となった。
 オバマ大統領の前には、三百五十万人の雇用創出と不良資産買い取りによる金融安定化策実行との引き替えに、巨額の財政赤字の拡大が待ち受けている。

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