十二月二日、道内23信金・7信組の2011年9月中間仮決算(仮決算表=写真は、12月3日『北海道新聞』第9面から転写)が出そろい、22信金と6信組が純損益で黒字を計上したが、本業のもうけを示す業務純益は、19信金と6信組で悪化、貸出金も軒並み減少し、経営環境の厳しさを反映している。
信組では、11年3月期まで本決算で
4期連続赤字を計上している釧路信組が、「大口融資先の破綻がなく不良債権処理費が大きく減った」(同新聞)ため、1億円余の純損益黒字となった。しかし、上半期の黒字は、主に徹底した人件費削減に負うところが大きく、収益面では、景気低迷で預金残高・貸出金残高ともに前年同期を下回っており、資金需要の減退が続けば通期の赤字脱却は難しいのではなかろうか。職員数及び賃金・賞与の削減を主としたコストカットだけでなく、収益力の強化が求められる。
信金では、11年3月期決算で赤字だった渡島信金が黒字だったのに対して、自己資本率35.02%の日高信金が、「取引先の養豚業者が民事再生法の適用を申請した」(同新聞)ため、7億円余の赤字に転落した。
函館商工信組のように、「東日本大震災の影響などで取引先建設業者の経営が悪化し、今回の純損失と同程度の貸倒引当金を積んだ」(同新聞)ところもあり、信金・信組ともに経営環境は厳しくなっている。地銀との競合に打ち勝って新規の優良融資先を開拓し、業務純益を向上させることは容易ではなかろう。3月期決算では純損益赤字が増えるのではないか。
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