タックの庭仕事 -黄昏人生残日録-

≪ 国立公園及び国有林で摩周砂の盗掘 ≫

P1040369 近年、釧路市内で、<摩周砂>と称して小粒の火山礫を販売する園芸店や造園業者が増えている。
 栃木県鹿沼市で産出する鹿沼土(実際は土ではなく火山礫)に似ているが、鹿沼土のようには柔らかくなく、潰れることがない。
 昔から、好事家(こうずか)の間では、小中粒はツツジ類やシャクナゲの鉢植え用土に混入、大粒はロックガーデンに用いられ、大きな礫は高山植物の石付け素材として珍重されてきた。
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 屈斜路・摩周カルデラを形成した火山活動の噴出物で、堆積量が厚く採掘が容易な地域は屈斜路湖と摩周湖周辺地域に限られ、釧路市で販売されているものの多くは、悪質な業者によって、阿寒国立公園とその周辺の国有林内で盗掘されたものと思われる。
 写真はすべて、阿寒国立公園内の盗掘現場である。業者の中には、火山礫の下に堆積した、いわゆる<黒ボク>といわれる火山灰を表土(黒土)として販売する悪質な者もいる。国立公園からは草木土砂岩石等一切の持ち出しが禁止され、国有林の場合は、複雑な手続きを経て道に認可申請を行い許可を得なければならない。民有地であっても、道への認可申請が必要で、勝手に山砂の採取は認められない。
 環境省の自然保護官事務所、あるいは北海道森林管理局の森林管理署は、屈斜路・摩周カルデラ周辺の山林及び民有地の山砂採掘状況を確認してみるとよい。自分たちが管轄する区域で、いかに違法採掘が行われているか、現状が分かるだろう。

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