昨年九月一日に釧路公立大学生が会社を設立し、JR釧路駅の真ん前の釧正館ビル地下で経営を続けてきたカフェバー「カフェラッチョ」が、八月十八日でもって閉店するという。「まちを盛り上げたい」(8月9日付『北海道新聞』第18面)「意気はよし」だが、カフェバーという水商売で素人が元気印を維持するのは至難の業で、大学祭の屋台気分で経営に参画した学生はドン・キホーテ役を演じたに過ぎない。この業界は、就活や学業と経営とが両立するほど甘い世界ではない。
三年次の学生の一人は、「店の経営を通じ興味を持った税務や会計について、これから勉強したい」(同新聞)と述べているが、そもそも公立大学経済学部では、それらを学ぶのも目的の一つではないのか。経済学科か経営学科か、所属は知らないが、三年次に「新しい目標」でもあるまい。在学四年間で基本的な座学をきちんと修めるべきだろう。
駅前や北大通が商業地域として成り立たなくなった原因は、いくつかの大きな要因が輻輳しており、個人なり組織なりが単発的に出店しても解決できるものではない。赤字が出ないうちに店をたたむ決意(写真下段は同新聞から転写)をしたことは賢明だった。現在、街づくりに求められるのは、釧路市が人口減で十二万都市に縮小することを念頭に置いた、根本的な発想の転換だろう。
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