永田町に伝わる「青木の法則」とは初耳である。「自民党政権下で『参院のドン』として君臨し、昨年、政界を引退した同党の青木幹雄元参院議員会長が唱えた説」(8月7日付『讀賣新聞』第4面)だという。
科学的根拠が何もない単なる経験法則だが、ケプラーの第3法則に理論的確証を与えたニュートンの万有引力の法則と同じように、政界においてすべての政治家に働く万有引力は政権の向心力(重力)であって、あらゆる政治家の活動のフルーイディティはこの向心力の変動に左右される。 退陣の法則は、過去の世論調査の数値で検証され、「多くの自民党政権に当てはまり、民主党政権の鳩山内閣も和が50%を割り込んだ2010年5月の翌月に総辞職」(同新聞)したが、空き缶(菅)内閣は昨年十二月以来和が50%を切り、読売新聞社が8月5~7日に実施した全国世論調査(支持率の推移及び主な結果は、8月8日付・同新聞・第1面から転写)では、和は35%にしか過ぎない。
安定政権の法則は、民主党執行部が既に六月半ばから首相退陣の方向で動いており、今回の内閣支持率18%と合わせてせいぜい30%にも満たないだろう。それでは何故内閣が崩壊しないのか。
原因は、政治勢力の中枢に、もはや古典的な青木の万有引力の法則が成立し得ない特殊な磁場と相対論的時空が形成されていることだと思われる。すなわち、政権を担うには不適な空き缶(菅)の首相としての特異性と、政界という時空を自在に動かすことができない民主党の未熟さの依って来たるところである。カン機能不全は、空き缶(菅)のみならず、野党を含めた政界全体、いや、日本国全体に蔓延しているのではないか。
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