<国民の祝日>について、昭和23年に<国民の祝日に関する法律>が交付・施行されて以降、時勢の影響を受けつつ、何度か一部改正が行われ、現在15の祝日が制定されている。
本日、4月29日は、もともと昭和天皇のご誕生日で、崩御ののち、国民の祝日<みどりの日>に制定されたが、本年から<昭和の日>と改正された。これまで<国民の休日>だった5月4日は、<みどりの日>となった。
法律の第1条は、<国民の祝日>を、「自由と平和を求めてやまない日本国民は、美しい風習を育てつつ、よりよき社会、より豊かな生活を築きあげるために、ここに国民こぞって祝い、感謝し、又は記念する日」(フリー百科事典『ウィキペディア』から転載)と定義している。わが家では、というか、私は、この祝日の精神を具体的に示すために、雨天でない限り、国旗をポールに掲揚することにしている。老父は、「右翼と間違えられるぞ、日の丸は止めとけ」というが、止めるつもりはない。これは、憲法で保障された思想信条の自由であって、何人も犯すべからざる権利である。「憲法改悪を許さない」と声高に叫ぶのも、「第9条を守るために」と署名を集めるのも、思想信条の自由という点では同じことである。
3世紀の中国で、魏呉蜀三国が鼎立し、中原を目指して覇を競ったが、結局、蜀が最も早く滅亡した。滅亡の原因は、直接的には、第2代皇帝の劉禅の無能に帰すが、間接的には、学者や官吏の思想的無責任が大きく影響したのである。彼らは蜀の粟を食みながら、皇帝の名前をもじって、「<備>はそなえ<禅>はゆずる」と言って憚らなかったという。国家の重責を担う者も国民も、人としての徳性を失って他を誹謗中傷するのみで、自己の主張しか認めない硬直した態度に陥るとき、あるいは、主張すら持たない無責任を無責任と感じないとき、国家の行く末は、推して知るべしだろう。
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