欧州の主要銀行の2011年12月期決算が出そろい、欧州財政・金融危機の影響を受けて、当期では5行が減益・4行が赤字。通期の純損益では10行のうちドイツ銀行(唯一通期増益のドイツ銀行=写真上段は、『ウィキペディア』から転載)を除く7行が減益・2行が赤字となった。収益を圧迫したのはギリシャ国債の評価損の引き当てで、加えて、金融市場の混乱や景気減速などが大きく影響した。
ドイツ銀行では、「企業の資金調達やM&A(企業の合併・買収)を控えたため、投資銀行部門が不振に陥り」(2月24日付『讀賣新聞』第9面)、10~12月期の同部門の税引き前利益が赤字となった。
12年度の見通しについては、欧州中央銀行がユーロ圏の銀行に大量の資金を供給したため、市場の緊張は緩和されているが、資産運用環境の不透明感から、1~3月期の顧客活動については厳しい見方がなされている。
ギリシャの債務削減に関して、もし強制的な債務削減が行われる事態になるとすれば、財務健全化の取り組みが遅れている小規模行が大きなマイナス要因を抱えることになる。欧州銀行監督機構が、財務の健全性を示す「中核的自己資本比率」の向上を各銀行に求める所以である。
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