日本数学会が昨年四月から七月にかけて国公立大学と私立大学48大学で実施した「大学生数学基本調査」の結果が二月二十一日に発表(結果を発表する宮岡洋一・日本数学会理事長ら=写真上段は、2月25日付『讀賣新聞』第3面から転写)され、「大学生が数学の基礎学力や論理的思考力を十分身につけていないこと」(2月25日付『北海道新聞』第27面)が明らかになった。
偶数と奇数を足すと奇数になる論理的説明の正答率は19.1%。整数mとnを用いて、偶数を2m、奇数を2n+1と表すと、2m+(2n+1)=2(m+n)+1という等式が成り立つ。m+nは整数だから、2(m+n)+1は奇数である。これは中3レベル。(前掲新聞・第1面参照)
平均の問題は四人に一人が不正解(正答率76.0%)。「平均」では、「平均値を計算することはできても、その意味を理解して、(平均のもとになる)全体像を推論することができない」(同新聞・第3面)ことがよく分かる。「平均」は小6レベル。いわゆる「ゆとり」と「大学全入」の結果がこれである。
数学は社会人としての能力を決定づける大きな要因であり、論理的思考ができないがゆえに、今の大学生はグローバル化の波に乗り切れないのではないか。
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