タックの庭仕事 -黄昏人生残日録-

≪ オンコの剪定(8)(08年) ≫

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 西側の隣家との境界近くに植わっているオンコ。我が家の庭の十五本のオンコのうち、幹の曲が変化に富んでいる点では三本の指に入る。
 亡き母が田舎家の庭で、幼木の時から曲をつけた成果である。二十年前に釧路の庭に移植して十年間は幹が太らなかったが、後半の十年でかなり太幹になった。
 釧路市内で、我が家のオンコのような段造りはほとんど見かけない。これも、曲と同様に、幼木のうちから心がけなければできない。いくら好きとはいえ、八十五歳まで四十年以上も脚立に上った母の執念を私が引き継いで、形見として残されたオンコの形状を維持するために、二十年は頑張らなくてはならないだろう。
P1000206 剪定を行う際、どこから鋏をいれるか二とおりの方法があり、段ごとに異なる。一つは、段の中央の高さを定め、そこから四方に刈り下げていき、最後に段の縁を整える。もう一つは、段の縁の位置を定め、そこから刈り上げていく。どちらの方法を取るかは、その段の枝葉の形状や木姿全体を勘案して判断する。
 私は、母の剪定作業を長年見て技術を習得したが、残念ながら私の技術を継ぐ者がいない。庭木は、一年でも手入れをしないで放置すると、たちまち形が崩れ、数年で、枝が暴れて手の施しようがなくなる。身体が動くうちに、いつかは、庭木の処分も考えておく必要がある。

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