タックの庭仕事 -黄昏人生残日録-

≪ 釧 路 の 舗 装 道 路 ≫

P1010393
 7月26日付『北海道新聞』第25面〈釧路・根室〉に、釧路市の市道舗装に関する記事が載っている。釧路市に簡易舗装が多い理由について、市道路河川課は、「とにかくほこり防止を、という要望が多く」と述べているが、信頼できる筋から得た情報によると、既に亡くなられた数代前の市長が、道内の主要都市の中で際立って低い舗装率を早急に高めるために、積極的に経費の安い簡易舗装を進めたのが真相である。
 上の写真は、武佐2丁目の市道だが、薄いアスファルトのひび割れが進み、ほとんど砂利道と変わらない。所々にパッチワークのように補修箇所が点在するが、それとて、冬期間に周囲が凍上するため、たちまち崩れてしまう。P1010389
 当時の市長は、『建設グラフ』(96年10月号)のインタビューで、釧路市のインフラ整備の遅れを指摘し、必要最低限の都市基盤整備を早急に進めるため、毎年、100億円近い公共事業を実施してきた、と豪語している。因みに、市長就任当時に15%だった市道舗装率は、在任19年間で、90%に達したという。「えっ、そうなんすか、ほほぅ」 それほど自慢に価する内容なら、市民自ら舗装補修材で穴を埋める必要など生じないのではないか。
 確かに、釧路市の都市基盤整備は飛躍的に向上しただろう。しかし、たまたま、日本経済が高度成長期にあったために、綻びが表面化しなかっただけで、その当時から、市の財政が健全な状態にあったかどうかは疑わしい。現在、財政難に喘ぐ釧路市は、要するに、これまで借金で大型公共事業を行ってきたつけを払わなければならない、ということだろう。赤字再建団体転落の危機は、いま急に生じたわけではない。

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最近の「社  会」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事